TimeTreeは、シニア層の推し活の実態を分析、その結果を9月9日に発表した。同調査は8月7日~8月12日の期間、全国10代~70代の3376人を対象にインターネットを用いて行われた。


推し活の実施有無について尋ねると、推し活の実施率は10代の93.4%が最も高く、年代が上がるごとに減少する結果になった。

しかし、一般的には推し活と結びつきづらいイメージの60代でも、52.3%と半数以上が推し活を実施している実態が明らかになった。

次に、推し活による生活の変化を尋ねたところ、全年代共通して、「生活にハリや楽しみが生まれた」の回答割合が最も多い結果に。世代別で回答割合に違いが見られた項目としては、10代・20代の若い世代では「気持ちが前向きになった」、「人生の目標ができた」、「新しいことに挑戦できた」といったマインド面の変化に関する回答割合が高くなった一方で、年齢層が上がると「健康に気を付けるようになった」の回答割合が高くなっており、変化に関する意識の違いが見られた。

また、このように推し活が新たな生きがいの創出、ウェルビーイングの向上にもつながっている実態が浮かび上がった一方で、「支出が増えた」(10代64.2%、20代69.9%、30代69.5%、40代69.3%、50代63.6%)と、生活に楽しみをもたらす反面、経済面での影響も確認された。

自身が行う推し活のジャンルを尋ねたところ、10代~30代の若年層では「アイドル」を中心に幅広いジャンルが支持されており、特に10代では、「漫画・アニメ」(32.6%)や「ゲーム」(20.4%)、「インフルエンサー」(19.2%)、「VTuber・ボーカロイド」(21.3%)など、二次元・デジタル領域での推し活実施割合が高いことが特徴的だったという。

一方で50代以降は「スポーツチーム・選手」を推す割合が高く、50代では28.4%、60代では26.8%、70代では過半数の53.1%が「スポーツチーム・選手」を推していると回答した。これらの結果から、若年層は「多ジャンル型」、シニアは「スポーツ集中型」という世代差が明らかになった。

推しの対象について自由回答で詳しく尋ねたところ、シニア層での1位は、メンバーそれぞれが音楽活動に、俳優活動に大活躍の「Snow Man」だった。2位は「BTS」、3位は同率で「阪神タイガース」とロサンゼルス・ドジャースで大活躍の「大谷翔平選手」となり、5位には来春までの活動再開を発表したばかりの「嵐」が入った。

スポーツ推し活実施者の割合が高いシニア層は、「阪神タイガース」、「大谷翔平選手」、「ロサンゼルス・ドジャース」、「北海道日本ハムファイターズ」と、TOP10に野球に関する推し対象が4つランクインした。

一方10代~50代の推し活対象ランキングでは、1位はシニア層と変わらず「Snow Man」で、幅広い世代から支持されていることが明らかになった。
2位には「嵐」となり、シニア層と共通点はあるものの、ランキング全体を見るとアイドルグループが中心となり、60代、70代の推し活対象にも違いが見られた。

推し活実施者に「誰と一緒に推し活を行うか」を尋ねたところ、30代~70代では「ひとりで行う」が最も多く(30代69.1%、40代63.2%、50代53.7%、60代49.2%、70代55.0%)、自分のペースで楽しむスタイルが主流となっていた。

しかしそれ以外にも、10代・20代では「親や祖父母」と推し活を行う人がそれぞれ31.4%、21.4%にのぼった。 また、40代以降では「子や孫」と一緒に行う割合が高まり、40代31.0%、50代31.7%、60代27.3%、70代26.7%と、若年層からシニア世代まで、家族で一緒に推し活を楽しむ実態が確認され、推し活が世代間の交流を生む文化となっていることが明らかになった。

推し活におけるデジタルツールの活用状況を尋ねたところ、全世代で「SNS(Instagram、Xなど)」が最も多く、10代から50代では9割前後が利用していた。これに続き「オンラインショッピングサイト(Amazon、楽天など)」「チャットサービス(LINE、Discordなど)」「スケジュール管理アプリ(TimeTree、Lifebearなど)」が3~4割程度と、幅広くデジタルツールが取り入れられている実態が確認された。

60代に注目すると、SNSの利用、動画配信サービスの利用が共に7割と高水準で、シニア層においてもデジタルを活用した推し活が日常的に定着しつつある様子がうかがえる。スケジュール管理アプリも27.1%が活用しており、推し活の予定や計画に役立てられていた。

一方で、AIサービス(ChatGPT、画像生成AIなど)の利用は若年層で1割前後あるものの、60代で2.4%、70代では0%と、シニア層における活用はまだ限定的であることも浮き彫りになった。
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