Honda(ホンダ)は、手を使わず座って移動できるハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」(ユニワン)の事業化を決定。国内法人向けとして9月24日に発売する。
また、10月19日から「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」(大分県)へ導入することも明らかにした。

ユニワンはホンダが開発した、着座型の1人乗りモビリティ。公式Webサイトを通じて、国内法人を対象に「サービス契約」のかたちで販売する。このパッケージには、ユニワン本体と交換式バッテリー、運用管理システム(アプリ)やメンテナンス、保険などを含む。

月額料金は3年契約で10台未満の場合、1台あたり12万円から。詳細は以下の通り。
ユニワンの1台あたりの月額料金(税込)

3年契約(契約台数10台未満):12万円
3年契約(契約台数10台以上):10万円
6年契約(契約台数10台未満):9万円
6年契約(契約台数10台以上):8万円

ほかにも期間限定のイベントなど向けに、1日から利用できる「短期レンタルサービス」(UNI-ONE、バッテリー2個、充電器、保険)も、1日当たり55,000円/台で提供していく。

ユニワンの用途として想定しているのは、クルマなどで移動したあとの「目的地で利用するモビリティ」として施設内などの特定のエリアでの回遊、高齢者をはじめとする多様な人材の活躍支援、労働生産性の向上など。

移動の負荷を軽減することで、足腰の負担への不安から外出を控えていた人々の外出を後押しし、「自由な移動の喜び」に寄与することもめざしている。

技術面では、ASIMOなど自社のロボティクス研究で培った技術を活用しており、座ったまま体重移動するだけで歩行するように移動でき、両手が自由に使えるのも特徴。難しい運転操作は要らず、子どもから年配の人まで幅広い年代の人が利用しやすい設計とした。

同社は、2022年の「国際ロボット展」でユニワンを公開して以来、さまざまなイベントでの展示や試乗会を重ね、2023年からは「御殿場プレミアム・アウトレット」での有償実証実験を行うなど、量産化・事業化への取り組みを進めていた。
2025年1月には公道走行が可能となる「移動用小型車」の型式認定も取得。今回事業化が正式に決まり、販売方法や価格などもあわせて公表した。販売予定台数は、2030年までの5年間で1,000台を見込む。

ホンダでは、サンリオエンターテイメントが運営するサンリオキャラクターパーク ハーモニーランドへの導入もあわせて公表している。

屋外型施設であるハーモニーランドには幅広い層が来園しており、「親子3世代で来る家族や、障がいにより長時間の歩行に不安がある人も、移動の負担から解放され一緒にパークを楽しんでほしい」という思いがあったという。

ホンダでは、ユニワンを活用することで、障がいを持つ人が抱える「移動や余暇活動についてまわる困難」という社会課題の解決にもつなげるため、導入を決めたと説明している。
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