「装着しているだけで健康を見守ってくれるツール」「万が一の際に装着者の命を救ってくれるツール」といった認識がこの数年で広まり、幅広い層に支持が広がっているApple Watch。今回発表された新製品では、その方向性をさらに推し進める改良が加えられ、まだApple Watchを使ったことのない人にも普及が進みそうな印象を受けました。


高血圧の可能性を知らせてくれるように

今回発表されたのは、主力モデル「Apple Watch Series 11」、過酷なアウトドアスポーツにも対応する高性能モデル「Apple Watch Ultra 3」、価格を抑えたベーシックモデル「Apple Watch SE 3」の3機種です。

2024年登場のApple Watch Series 10では、睡眠時無呼吸症候群の可能性を検出して通知する機能を追加し、命にかかわる病気を発症する前に病院に相談するきっかけを作ってくれると評価されています。

今年、Apple Watch Series 11とApple Watch Ultra 3には、新たに高血圧の可能性を知らせる高血圧通知機能を追加。これは、血圧計のように血圧を測定する機能でななく、心拍センサーから得たデータを長期的に分析し、慢性的な高血圧の可能性を検出する機能です。少なくとも30日間装着してデータを取得する必要がありますが、脳卒中など高血圧を要因とする病気の早期発見につながる可能性が高まるのは魅力的といえます。

さらに、睡眠データを分析する睡眠スコア機能もwatchOS 26で追加され、睡眠の質を高めるためにどうすればよいかをガイドしてくれます。
5G通信への対応やバッテリー駆動時間の延長も

目玉の高血圧通知以外にも、各機種はさまざまな改良が加えられました。

Apple Watch Series 11は、Watch単体のモバイル通信が従来の4Gに加え、新たに5Gに対応しました。さらに、ガラスパネルの強度も高めています。バッテリー駆動時間も長くなり、最大24時間の駆動が可能になっています。

Apple Watch Ultra 3は、モバイル通信の5G対応を図ったほか、新たにWatch単体での衛星通信機能を搭載し、圏外の状況でもメッセージの送受信や位置情報の共有、救助の要請、緊急SOSの発報などが可能になりました。本体サイズやデザインを変えず、ベゼルを細くすることでディスプレイのサイズも拡大しています。
バッテリー駆動時間は最大42時間に延びました。

Apple Watch SE 3は、ほかの2機種と同じ最新のS10チップを搭載。SEシリーズで初めて常時表示ディスプレイを搭載したほか、睡眠時無呼吸通知や急速充電にも対応。バッテリー駆動時間は約18時間に延びました。5G通信にも対応します。
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