アイ工務店はこのほど、2024年に京都大学・奈良女子大学と共同で実施した、外張り断熱工法を採用した耐震等級3相当・制震ダンパー付き木造住宅の耐震性能に関する研究成果を、九州大学伊都キャンパスで開催された日本建築学会で発表した。

外張り断熱工法は、高い断熱性能・気密性能を確保できるだけでなく、断熱材による押さえ効果や固定部材の補強効果が耐震性の向上にも寄与することが注目されている。
さらに、制震ダンパーを組み合わせることで揺れを効率的に吸収・低減でき、地震時の建物被害を抑制できる可能性があるという。

そこで、本研究では、外張り断熱工法を採用した耐震等級3相当の木造住宅に、経済的で性能も高く今後の普及が期待される制震ダンパーを設置した建物を対象とし、京都大学生存圏研究所 中川貴文准教授、奈良女子大学生活環境学部 角田功太郎専任講師の監修のもと、実大耐震性能実験を実施し、その耐震性能を評価した。

実験では、極大地震を複数回入力する実大振動台試験を実施し、試験体の応答性状や損傷状況を詳細に把握。その結果、震度7に相当する強い揺れを3回連続で加えても安全基準を超えることはなく、建物の高い耐震性能が実証された。
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