hort=Google Chrome AIブラウザ化を加速
米Googleは9月18日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」にAI「Gemini」を統合するアップグレードを発表した。Web情報閲覧ツールであるChromeを、AIがブラウジングを支援するAIブラウザに進化させる取り組みの始まりであり、発表で同社は「Chrome史上最大のアップグレード」としている。
同社は今年5月にGoogle I/O 2025において、Chromeで閲覧しているページについてAIチャットボットを利用できるようにする「Gemini in Chrome」を発表し、米国の英語設定のGoogle AI Pro/Ultraユーザーに提供を開始した。今回のアップデートで、提供対象が無料ユーザー(米国・英語設定、Mac/ Windows)にも拡大された。また、今後数週間以内にGoogle Workspaceを通じて、企業ユーザーも利用できるようにする。モバイルでも、iOS版Chromeで間もなく提供を開始する予定。AndroidにはすでにGeminiが統合されている。
これまでGemini in Chromeでは閲覧中のタブのみがGeminiとの対話の対象だったが、開いている複数のタブを対象にできるようになる。これにより、複数の製品のページを開いて、スペックの違いをGeminiにまとめてもらうというような使い方が可能となる。
Chromeの閲覧履歴もサポート対象となり、キーワード検索だけでは見つけにくかった過去の訪問ページや読んだ記事も、自然言語による説明で効率的に検索できるようになる。
さらに、Googleカレンダー、YouTube、Googleマップなど、Googleアプリとの連携も強化される。閲覧中のページを離れることなく、会議のスケジュールを設定したり、マップで場所の詳細について調べるといったことが可能となる。
加えて、Gemini in Chromeだけでなく、新たなAI機能としてアドレスバーからGoogle検索の「AIモード」を利用できるようになる。AIモードでの検索は、アドレスバーの右端に表示される「AI Mode」ボタンをクリックして実行する。
また、セーフブラウジングの強化保護モードですでに導入されている軽量AIモデル「Gemini Nano」を活用した保護機能が、詐欺的な景品表示やウイルス感染を装う警告などでユーザーを欺こうとするサイトへの対策にも拡張される。
これらの新機能や強化が今後数週間をかけて展開された後、数カ月以内にはエージェント型ブラウジングアシスタントの導入も計画されている。この機能では、ヘアカットの予約や食材デリバリーの注文など、Web上でのタスクの処理において、Geminiが自動入力やページ遷移、確認プロンプトの提示などを通じてユーザーを支援することになる。