9月24日、サントリーがノンアルコールビールテイスト飲料の新製品「ザ・ベゼルズ」を発売する。ビールで感じられるような飲みごたえにこだわったという。
既存のビールテイスト飲料との違いとは? ピザとともに味わってみることにしよう。

○ビール好きには物足りないビールテイスト飲料

ノンアルコール飲料市場は年々伸張を続けており、ノンアル・ビールテイスト飲料はもちろんのこと、近年はノンアル・ワインテイスト飲料やノンアル・RTDテイスト飲料などさまざまな製品が発売されている。

サントリーは顧客のニーズを「お酒の楽しい気分」「健康機能」「リフレッシュ」を分析しているが、一方でビール類を週に一回以上飲用する方にもまだまだノンアルビールテイスト飲料は定着していない。その理由はやはり、ノンアル・ビールテイスト飲料に感じる「物足りなさ」にあるのだろう。

そんなビールファンに向けて、ノンアル・ビールテイスト飲料の味わいを再構築した「ザ・ベゼルズ」がサントリーから発売された。目指したのは「ビールで感じられるような飲みごたえ」だという。さっそく試してみよう。

○ビールの素材・製法をそのままノンアルに

ビールテイスト飲料「ザ・ベゼルズ」は、品名では炭酸飲料にあたる。原材料に麦芽、ホップ、スピリッツエキス(ノンアルコール)を使用しており、そのほか食塩/炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、苦味料などが記載されている。

「ビールで感じられるような飲みごたえ」といううたい文句通り、材料はほぼビールだ。ここに酵母が加わえ発酵を行うとアルコールと炭酸が生み出され、ビールになってしまうわけだが、そのアルコール成分こそ物足りなさの主要因でもあるだろう。

そこでサントリーが加えたのが、厳選したスピリッツ原酒を脱アルコールしたという「スピリッツエキス(ノンアルコール)」というわけだ。
これがお酒のような飲みごたえを生み出しているという。

さっそくグラスに注いでみると、色といい泡立ちといい、その姿はまさにビール。シュワシュワとした炭酸とともに小麦らしい香ばしさとフルーティな香りが漂い、「これまでのビールテイスト飲料とは違うな!?」と期待に胸が高まる。

○ピザを食べながら「ザ・ベゼルズ」を楽しんでみる

ノンアル・ビールテイスト飲料が活躍する場のひとつといえば、やはりランチではないだろうか。そんなわけで、家族でお昼にピザを食べつつ、「ザ・ベゼルズ」を味わってみることにした。

最初に口に含むと、やはりビールテイスト飲料から感じる独特な甘さがある。だがそれ以上に感じるのは小麦とホップらしさだ。とくに香ばしさが際立っていて、ともすれば焼きとうもろこしのような旨味にも感じる。

苦味は少なく、酸味もほどほどで、甘さも喉に残るようなこってりしたものではないため、ぐいぐいと飲みやすい。個人的には、アルコールの満足感を狙いつつも、無理にアルコールの味を再現しようとしていないんじゃないかな、と感じた。

続いて、ピザを食べつつ「ザ・ベゼルズ」を飲んでみよう。トマト&バジルのピザは、そのままでも食べやすいが、「ザ・ベゼルズ」とともに食すことでよりさっぱりと食べられる。
口に残るチーズの濃厚さを洗い流してくれる点は、とてもビールらしさを感じる。

エビ&ガーリックのピザでは、にんにくのしつこさを抑えながら、えびの旨味を引き立てているように感じた。シーフードピザは他のピザと比べるとあっさりしているが、「ザ・ベゼルズ」の小麦の甘さによって相乗効果が生まれているようだ。うまい。

想像以上に合っていたのが、パイナップルをのせたトロピカルピザ。「ザ・ベゼルズ」は苦味が少な目で後味がさわやかなため、パイナップルの持つ酸味・甘味の邪魔をしない。この組み合わせは、個人的にはビール以上に合っているのではないかと思った。

○食事と合わせた時の「ビール感」がたまらない

ノンアル・ビールテイスト飲料は、単体で飲むのはなかなか辛く、もともと食事に合わせることでビールのように楽しめる傾向が強かった。「ザ・ベゼルズ」はビール同様の原材料を使うことでより奥深くなっており好印象だが、まだまだビールテイスト飲料の枠の中の製品であることに変わりはない。

一方で、食事を引き立てるという意味では、これまでのビールテイスト飲料と一線を画す旨味があると感じた。メーカーの狙いとは異なるかもしれないが、ピザを食べてグワーッとあおった時のうまさは本当にビールっぽい。やはりビールの原材料を使用し、小麦の香ばしさが確かに感じられるからなのだろう。


食事とともにキンキンに冷やした「ザ・ベゼルズ」を流し込むと何倍もおいしく感じられる。休刊日やお昼時に「ビール感」が欲しいときは、「ザ・ベゼルズ」の助けを借りることになりそうだ。
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