俳優の二宮和也と小松菜奈が出演する映画『8番出口』(公開中)が、第30回釜山国際映画祭のミッドナイト・パッション部門で上映され、翌日に実施されたトークプログラム「Actors' House」に二宮が登壇した。

『8番出口』は、2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏が制作し、累計170万ダウンロード超のヒットを記録したゲーム『8番出口』を実写化した作品。
川村元気監督がメガホンをとる本作の主演は二宮和也で、河内大和、小松菜奈が出演している。

本作は、韓国・釜山で開催中の第30回釜山国際映画祭のミッドナイト・パッション部門に招待され、9月18日に公式上映が行われた。翌18日に実施されたプログラム「Actors' House」には、二宮が登壇。「Actors' House」は、演技力だけでなく、スクリーン内外で際立つスター性を放ち、高い評価を得ている俳優にスポットをあて、俳優自身の魅力に迫るトークプログラムである。今年は、韓国を代表する3名の俳優(イ・ビョンホン、ソン・イェジン、キム・ユジョン)とともに、日本人俳優として初めて二宮が登壇する運びとなった。

会場となる「ソヒャンシアター」は、開演前から、二宮の話を聞こうと熱気が充満した様子。司会者の掛け声で二宮が登場すると、「ニノ~!」と、会場中から拍手と歓声が巻き起こった。釜山の海を見たこと、到着した日に参鶏湯を食 べたことなど、釜山エピソードで和やかな雰囲気のもと、イベントはスタート。

韓国プレミアで、早速、観客の心をわしづかみにした本作。「出演しているキャストが限られている中で、一人のお芝居をする時間が長いのは挑戦だなと思ったのと、原作にストーリーがなかったため、どういう風に実写映画化するのだろうという興味が湧いたのは大きいですね」と、出演を決めた経緯について二宮が語ると、司会者から「本作は"迷う男"の出演シーンが多いことから、観客を一人称の主人公に没入させるような演技が必要だったと思います。他作品と準備する際の過程の違いはありましたか?」と質問が。二宮は「脚本の製作の段階から参加させてもらったのは大きいです。
一人芝居で展開を作っていく上で台本通りに演じてしまうと、台本に描かれていることと、現実で起こっていることに齟齬がうまれて……。自身で表現してやっていくしかないという中でその誤差を現場で起こしたくなかったので、脚本製作から参加させてもらいました」と、本作の脚本協力の秘密を語った。

「Actors' House」に出演した感想を聞かれると、「本当に貴重な経験をいただきありがとうございました。やはり僕は、自分たちで手を尽くたものが世界に届く仕事をしたいと話をしていて、評価をもらうことが一つの夢でもあったので、『8番出口』がみなさんに見ていただけたのが嬉しいですし、やってよかったなと思っています。これを機に、二宮が韓国に来るべきだと思っていただけるのであれば(笑)、ゲストではなく、レギュラーとしてちゃんと出演したいです。自分の韓国語で皆さんの心を掴むのが夢の一つに加わりました。が、それは韓国側からオファーがないとはじまらないので、二宮見たいかもって思っていただけたら! 嵐のことも皆さんが能動的に動いてくださったおかげだと思うので、韓国のみなさんに恩返ししたいと思っています。みなさんのお茶の間に登場するのが夢なので、これからも頑張っていきますので、応援のほどよろしくお願いいたします」と笑顔で応えた。

○野外ステージのイベントには、二宮和也、河内大和、川村元気監督が登壇

同日、「映画の殿堂 BIFF 野外ステージ」で実施されたトークイベントには、二宮和也、歩く男(おじさん)"役の河内大和、川村元気監督が登壇した。集まった約4,500人のファンに向けて、川村監督は「本日はお集りいただきありがとうございます。作品にまつわる話を楽しくできたらと思います」と、二宮は「アニョハセヨ!(こんにちは!) 作品の話をたくさんして、皆さんに劇場へ足を運んでもらえたらと思います。よろしくお願いいたします」と、河内は「アニョハセヨ! 本日はお越しいただきありがとうございます。
最後まで楽しんでいってください」とそれぞれ挨拶した。写真撮影OKという会場では、 多くのファンが登壇者にカメラを向けており、二宮はじめ、登壇者はカメラに向かって笑顔を向ける。本作を製作するきっかけや出演オファーがあったときの感想など、一つ一つの質問に3人は丁寧に回答。また、「作中の"迷う男"のように、出口を探してさまようことがあった場合、周囲を疑うタイプか? それとも、疑わないタイプか?」と聞かれると「私は……信じやすいから、疑わずに進んで行っちゃうかな」という河内の回答に対し、「うーん……僕もそっちかも」と二宮が答えると、場内からは「え~!」という驚きの声が上がる一幕も。

トークイベントの最後には「本作を製作するにあたり、日本の地下通路を旅していたら、釜山にたどり着き、みなさんと会うことができ、地下通路を歩くのも悪くないなと思います。今回の釜山国際映画祭では、日本作品もたくさん上映されているので、ぜひ観ていただけたらと思いますし、僕もまた戻って来れるように頑張りたいです」と、二宮が締めの挨拶をし、短い時間の中で韓国のファンも魅了した。

(C)2025 映画「8 番出口」製作委員会

【編集部MEMO】
本作で脚本も手がける川村元気監督は、『電車男』『デトロイト・メタル・シティ』、『告白』、『悪人』、『君の名は。』などのプロデューサーとしても知られる。初監督作である『百花』では、第70回サン・セバスティアン国際映画祭にて、日本人初となる最優秀監督賞を受賞している。
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