日本ミシュランタイヤは9月25日、「ミシュランガイド東京2026」の全セレクションを発表した。
○日本料理の「明寂」が新三つ星に
新たに三つ星となったのは、評価をあげた「明寂/Myojaku(日本料理)」(東京都港区西麻布)。
○西麻布 鮨 真、伯雲、炎水が新二つ星
新二つ星は、いずれも一つ星から評価をあげた3軒。「西麻布 鮨 真/Nishiazabu Sushi Shin(寿司)」は東京ガイド初版から一つ星。握り鮨の伝統を大切にした仕事ぶりで、魚介は上質、種と酢飯の調和に優れ、円熟味が増している。「伯雲/Hakuun(日本料理)」は柔軟な心で料理に向き合う日本料理店。自由な発想力で食材の組み合わせや、味の仕立て方に独自性がある。「炎水/Ensui(日本料理)」は日本料理に大切なだしと炭火に焦点をあてた料理が特徴。食材選びから調理工程まで探求心と個性を見せている。
ミシュラングリーンスター
新たなミシュラングリーンスターには「トワヴィサージュ/TROIS VISAGES(フランス料理)」がセレクションされた。同店では、自然農法で野菜やハーブを育て、端材を堆肥として自家菜園に還す。産卵の役目を果たした鶏や廃棄されるホエーを引き取りフードロスを削減。飼育環境やフードマイレージの観点から国産食材に特化するなど、食の持続可能性に取り組んでいる。
○ビブグルマン
ビブグルマンは114軒が選ばれ、そのうち新規掲載は16軒だった。12の料理カテゴリーから、価格以上の満足感が得られるレストランが紹介された。中でも、日本で初めて「東南アジア料理」が1軒選出されている。「ナイトマーケット/Night Market」はシェフが東南アジアを旅して食文化に魅せられたことから夜市の屋台がコンセプト。各国の伝統レシピをベースに、日本の食材をアレンジしている。
○メンターシェフ
メンターシェフアワードは、自身の仕事やキャリアが手本となるようなシェフに授与される。後進の育成にも力を注ぎ、指導者として熱意をもって助言し、レストラン業界の発展に貢献する料理人・シェフを称える賞となる。今回受賞したのは、「野田岩 麻布飯倉本店/Nodaiwa Azabu Iikura Honten(うなぎ)」の金本兼次郎氏。
○サービスアワード
サービスアワードは、訪れる人を心地良くすることができる、おもてなしに優れたスタッフに授与される。今回「飄香/Piao-Xiang(中国料理)」の熊谷泰代氏が受賞した。井桁シェフを支えながら、銀座と六本木にある姉妹店の統括マネージャーとして従業員を束ねている。接客で大切にしているのは、空間、雰囲気、食体験のすべてに気を配ること。訪れたゲストが居心地良い時間を過ごせるよう努めている。四川料理の技法や成り立ち、中国の食文化についての知識を深めてきた。流暢な料理説明を通してシェフの情熱やレシピの意図を伝え、会話を交えながら和やかな接客を行っている点が評価された。
○ソムリエアワード
ソムリエアワードは、ミシュランガイドに掲載されるレストランにおいて、ワインの専門知識やサービス技術に優れたソムリエに授与される。今回選ばれたのは、「マノワ/MANOIR(フランス料理)」の中村豪志氏だった。自身が営むレストランは今年初掲載で一つ星となった。幼少期の恵まれた食体験から料理人を志し、のちにソムリエに。ワインに限らず様々な見聞を広め、多くのレストランでソムリエと支配人を務め、マノワを開業した。フランス料理にはフランスワインという常道に基づき、フランス産ワインに特化している。ゲストの嗜好を察知してワインを選び、この店の代表として巧みな話術で心地よい時間を演出している。中村氏のワインとサービスにかける情熱はソムリエアワードに相応しく、今回の受賞となった。