今年7月に『ウェザーニュースLiVE』キャスターとしてデビューした松本真央。「デビューの時と同じくらい緊張しています」と、初のインタビューに緊張した様子を見せつつも、話を聞くうちに持ち前の明るさと爽やかな笑顔を見せてくれた。
インタビューでは、宝塚歌劇団を目指していた過去や女優として活動していた経歴について聞いたほか、初めての番組出演時に起こった“ハプニング”についても振り返ってもらった。
○「たくさんの人を笑顔にしたい」をモットーに女優としても活動
──今回が初インタビューだそうで、緊張されていますか?
口から心臓が出そうです……(笑)。デビューの時と同じくらい緊張していますが、よろしくお願いします。
――リラックスしてお話しいただければと思います(笑)。まずはウェザーニュースキャスターを目指したきっかけからお聞かせください。
私の人生のモットーは「たくさんの人を笑顔にしたい」なんです。これまで舞台や映像など、表舞台に立つ仕事を少しだけさせていただいていたんですが、お芝居をしていて、自己表現をするなかでも違うことをしたいと思うようになったんです。
そして、一般企業への就職を考え始めていたときに、たまたまTikTokでウェザーニュースの先輩方の切り抜きを見て! オフな感じのキャスターさんがかわいらしくて、クスッと笑ってしまったんです。そのときに「こういう形で人を笑顔にできるんだ」と思って。いろんな人を笑顔にできる、そしてなおかつ天気を伝えることで社会の役にも立てるというのがとても素敵なことだなと。気になって調べてみたら、ちょうどキャスターの募集をしていて、「これはチャンスだ!」と思い、すぐに応募しました。タイミングが少しでもずれていたら、就職をしていたと思うので奇跡です。
――お芝居をやられていたそうですが、もともと表舞台に立つことは幼少期から目指していたんですか?
小さい頃からジャズダンスをずっと習っていて、その影響もあって大学はミュージカルの学校に行ったり、宝塚歌劇団を受験したこともあります。宝塚の公演を観た後って、皆さん笑顔になって帰られるので、そういった姿を見て、芸能の道を意識していました。
――そこからお芝居の世界に入っていくわけですね。
はい。ただ、大学4年間で舞台をやっていて、自分の飽き性に気が付いてしまって……(笑)。何カ月も同じ稽古をやり続けることに慣れや飽きがあって、「向いていないな」と(笑)。
○ウェザーニュースキャスターを目指したきっかけは“周囲の後押し”
――まさにその日ごとの気象情報をお届けする「ウェザーニュースLiVE」はぴったりですね。奇跡的な縁でオーディションを受けた松本さんですが、参加の決め手は?
「環境を変えなきゃ」と悩んでいた時期だったこともあるんですが、以前から周りに「アナウンサーやキャスターに向いている」と、よく言われていたことも後押しになりました。挑戦する分にはタダなので(笑)。「今このタイミングで出会ったことには、何か縁があるんだ」と思ったので、勢いそのまま応募しました。
――勢いのままにオーディションを突破されて見事に合格されたわけですが、ウェザーニュースキャスターのオーディションといえば、これまでも数々の伝説がありますよね。
実は私は体調を崩してしまい、会場に行けなかったんです……。
もし会場に行っていたら、歌を歌うか、タップダンスを披露するつもりでした。今となっては、歌は放送上では歌えないので、特技としては使えないですし、タップダンスも、「(小林)李衣奈さんとコラボして!」とコメントでいただくのですが、板がないと難しいなと(笑)。よくよく考えると、無理なものばかりで、それ以外だとゴリラのモノマネくらいしか残っていなかったので、オンラインで良かったのかもしれません(笑)。
○芸能活動時は落ちるのが当たり前だったオーディション 合格の知らせに「え、私が!?」
――今後どこかで見られるかもしれませんね(笑)。そんなオーディションを経て、合格を聞いたときはどんな気持ちでしたか?
「え、私が!?」と驚きました。芸能活動や宝塚受験も、落ちるのが当たり前になっていたので、選んでいただけたことはとても嬉しかったのですが、それと同時に「私で大丈夫なのか?」という不安も大きかったです。
――その後、研修に入ってからは新しく学ぶことも多かったと思います。
もう“ちんぷんかんぷん”でした。原稿の作り方もわからないし、47都道府県も曖昧で……県庁所在地のテストから始めました(笑)。
北海道や沖縄の地名は特殊な読み方が多いので、ふりがなが振ってあるのですが、その平仮名がゲシュタルト崩壊してしまうこともあって、平仮名を追いかけすぎると、今度はイントネーションがわからなくなることもあります。
――地名だけでなく、もちろん気象についての知識も必要になりますよね。
気象に関することは理科のジャンルだと思うのですが、兄が理系なので「これってどういうこと?」と質問したり、YouTubeで実験の動画を観たりして、調べながら勉強していました。研修を終えた今もわからないことは多くあるので、まだまだ学ぶことだらけです。
○同期・田辺真南葉キャスターは「プロ意識と自己プロデュース能力がすごく高い」
――研修では、同期・田辺さんとはどんな時間を過ごしましたか?
真南葉ちゃんは、アナウンスの経験があるので、伝え方や声のトーンなど技術面で見習うことや学ぶことが多かったです。研修終わりに「今日も頭、使ったね」とクレープを食べに行って、疲労を分かち合っていました(笑)。
――そんな同期・田辺さんとお会いしたときは、どんな印象でしたか?
かわいくて、あざとい! そして、スタイルがいい! おそらく番組を観てくださっている方は、気付いてらっしゃると思うのですが、プロ意識と自己プロデュース能力がとても高いんです。人からどう見られるかということを常に意識していて、SNSや放送を見ていても、すごいなと……私も見習わないといけないと思っています。
――7月にデビューを迎えて、少し時間が経っていますが、初回出演を終えたときのことは覚えていますか?
お披露目の時は緊張マックスで、終わったあとはホッとした気持ちもあったんですが、ここから始まるんだというドキドキもありましたし、少し怖さも感じました。
――怖さというと?
コメントがアーカイブでも見られるんです。どうしても比べられてしまうので、そこが怖かったです。ただ今は、自分が選んだ道なのでやるしかないと覚悟を決めました。
――初回出演後に先輩キャスターから何かアドバイスはもらいましたか?
先輩方は本当に優しくて、「自分らしくやればいいし、自分のペースで大丈夫だよ」と声をかけてくれました。番組を見てくださる方々が観やすいほうを観るというのは、当たり前のことなので、どうしても比べられてしまうと思います。
また、デビュー放送の時だけでなく、クロストーク(番組間のコーナー)でも、「この時間の番組は初めてだよね?」と声をかけてくださるので、「好きっ!」となっています。
――特に気にかけてくれる先輩キャスターさんはどなたですか?
白井(ゆかり)さんは忙しいなか、研修も担当してくださったので、私にとっては大先生です! 番組がどうやって作られて、どう流れていくのかなど、一から教えてくださいました。
○初の3時間出演で思わぬハプニング「墓場まで持って行きたい」
――まさに先生と教え子の関係ですね。先輩キャスターの皆さんの「ここがすごい」と思う部分はありますか?
皆さん、何かしらの一芸に秀でているのがすごいです。書道や社交ダンス、絵が画伯だったりとか…… 皆さん特技のようなものがあるんです。私は凡人生活を送ってきてしまったので、自分に何ができるのか現在模索中です。
――絵が画伯というのは、青原桃香キャスターのことですか(笑)。
ディスっているわけではないんです(笑)。画伯と呼ばれるくらい個性があるというか……突っ込みたくなるときもありますけど、素敵な絵のときもあるんです!
――また、松本キャスターといえば、初めての3時間出演の際のオープニングでも話題を集めました。
全然始まらなかったやつですね……(笑)。
その結果、オープニングを何度もやり直すことに……スタッフさんは笑いながら対応してくださって助かりましたが、あれは恥ずかしくて「墓場まで持って行きたい」出来事です(笑)。今はカンペを手元に置き、絶対に出だしで詰まらないようにしています。
――最後に、ご自身にキャッチフレーズをつけるなら?
「ギャップだらけの江戸っ子」です。写真だとクールに見られがちですが、実際はゲラゲラ笑うし、たまに江戸っ子っぽい言葉が出てしまう。そのギャップも自分らしさだと思っています。
■松本真央
2001年3月23日生まれ。東京都出身。趣味・特技は、舞台観劇・ダンス・散歩。愛称はまおちゃん・まおまお。今年7月に『ウェザーニュースLiVE』キャスターとして、田辺真南葉とともにデビューした。