NTTソノリティは10月1日、「子育てワーカーの育児・介護休業法 改正とテレワークに関する調査」の結果を発表した。調査は2025年9月11日~9月17日、全国に住む共働きで子育てをしている20歳以上の男女550名を対象にインターネットで行われた。

○育児・介護休業法の改正「全く知らない」約7割

事前調査で男女43,283名に「2025年10月の育児・介護休業法の改正(残業免除対象の拡大)を知っていましたか?」と質問したところ、全体の69.5%が「全く知らない」と回答。テレワークや残業免除の選択肢が広がり、自身の働き方に柔軟性が出てくるにも関わらず、多くの人がその内容を認知していないことが明らかになった。

○子育てと仕事の両立が大変だと感じるのは8割以上

共働きで子育てをしている男女550名に「子育てと仕事の両立が大変だと感じますか?」と聞いたところ、全体の81.8%が「思う」と回答。男女で比べてみると男性は78.2%、女性は85.4%であり、女性の方が両立の大変さを実感していることがわかった。子育ての負担は、まだまだ女性の方が大きいことが伺える。

また、「テレワークが仕事と育児の両立に役立っている」と感じる人は83.8%となっており、子育てと仕事を両立するためにはテレワークが必要不可欠であると考えられる。

○子育てと仕事の両立、勤務先が「十分に対応している」は半数

「勤務先が、今回の法改正に向けた制度対応や環境整備に取り組んでいると感じますか?」という質問に対し、「十分に対応している」と回答した人は50.0%と全体の半数にとどまった。また、今回の法改正により、3歳未満の子どもがいる従業員を対象にテレワークを導入することが事業主の努力義務になるなか、「できることならテレワークを導入したいと思う」回答したのは全体の88.7%に上った。

「今回の法改正でテレワークを増やす予定がありますか?」と聞いたところ、「増やす予定」と回答した人は全体の42.2%と半数を下回る結果に。男女別で見ると、男性は37.5%、女性は46.9%となっており、女性の方がテレワークを増やそうとしている傾向がみられた。

テレワークを導入して働き方をより良くしたいと考えている人が多い一方で、実際にテレワークの導入を予定している人はその約半数と、希望する働き方と現実にギャップがあることが浮き彫りになった。

8割以上が家に子どもがいる中でテレワークを実施


実際に「子どもが在宅中でも、リモートで仕事をすることがありますか?」という質問に対して「ある」と回答した人は84.2%。
また、「病気の子どもを自宅で看ながら、リモート会議や仕事をしたことがある」と回答した人は84.7%ということがわかった。

さらに、「子育て時のテレワークで、耳だけ参加の会議(カメラオフ・発言なし)や聴くだけの参加が増えた」と感じた人は72.9%。男性は68.7%に対し、女性は77.1%となっており、女性の方が仕事中の育児への負担が大きいことがわかった。

○テレワークでイヤホン・ヘッドホンの使用時間は増えた?

「テレワークを始めてからイヤホン・ヘッドホンを使用する時間は増えた」と感じている人は80.9%。その結果、「痛みやストレスを感じたことがある」と答えた人は76.1%と、テレワークに伴いイヤホン・ヘッドホンを使用時間が伸びたことにより、心身ともに影響を受けていることが明らかになった。

また、痛みやストレスについて、男性は71.8%であることに対し、女性81.3%と10%近く上回る結果になった。女性の方が仕事と子育ての負担が大きい上に、影響も多く受けていることがわかる。

イヤホン・ヘッドホンの使用で気付けなかったこととして、「来客・宅配(39.3%)」、「子どもの呼びかけや泣き声(35.3%)」、「家族の呼びかけ(30.2%)」が挙げられた。

イヤホン・ヘッドホンで耳をふさいでいることで、周りの音や声に気がつけず生活へ影響がある人が多数いることが判明した。

○自宅の作業環境で不十分と感じることは?

自宅の作業環境で不十分に感じる点として「モニターなどのPC機器(32.5%)」「作業スペース(32.0%)」、「音や生活音への配慮(32.0%)」が挙げられた。

また、「スピーカーの支給や耳に負担のない音響デバイスなどの整備があればパフォーマンスがあると感じる」と回答した人は79.1%に。耳に負担のない音響デバイスなどのニーズが高いことが伺える。
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