楽天モバイルは9月30日、同社の事業戦略を説明する「楽天モバイル プレスカンファレンス」を実施した。
楽天モバイル代表取締役会長の三木谷浩史氏らが“次世代ネットワーク”と位置付ける通信事業の現在地を紹介。
三木谷氏「定額無制限を継続」、契約数は930万件に
楽天モバイルの代表取締役会長の三木谷浩史氏は、プレスカンファレンスの冒頭で通信費を含む物価高に触れつつ、同社が掲げてきた“携帯電話業界の民主化”を示した上で「楽天はこの定額無制限を継続します」とコメントした。「いくら使っても2,980円(※税込では3,278円)。1つの低価格継続宣言と言ってもいいと思っています」。
携帯電話の料金プランは2025年春以降、NTTドコモの「ドコモ MAX」や「ドコモ mini」、KDDI(au)の「auバリューリンクプラン」、UQ mobileの「コミコミプランバリュー」「トクトクプラン2」、ワイモバイルの「シンプル3」など、付加価値を加えながら実質値上げに踏み切る流れとなっており、楽天モバイルの料金プランの動向が注目されていた。
楽天モバイルでは、部材や電力料金の価格上昇傾向があるものの、複数ベンダーの製品を組み合わせて無線ネットワークを構築するオープンRAN、汎用ハードウェアを用いた完全仮想化ネットワーク基盤による調達費低減、AI導入による電力消費量の削減や人件費の最適化、といったコスト削減施策を図っていくという。
契約者数は2025年9月25日現在で930万件を突破し、2025年内に1,000万回線の達成を目指す。なお1カ月の平均データ量は31.2GBへ上昇している。
U-NEXTを楽しめる「Rakuten最強U-NEXT」10月1日スタート
楽天モバイルは10月1日から、公式サイトおよび楽天モバイルショップ、楽天モバイル公式 楽天市場店にて、新料金プラン「Rakuten最強U-NEXT」を提供開始した。
楽天モバイルのRakuten最強プランをベースに、U-NEXT見放題の特典をプラスした料金プラン。月額4,378円で楽天モバイルの「楽天最強プラン」と、U-NEXTで配信中の映画やドラマ、音楽ライブなどのコンテンツおよび「U-NEXT サッカーパック」の数試合を、毎月追加料金なしで楽しめる。
月額3,278円のRakuten最強プランと、月額2,189円のU-NEXTを個別に契約すると月額5,467円となるが、「Rakuten最強U-NEXT」ではこれより安い価格で両方のサービスを利用可能。
同プランで2025年10月に無料視聴できるサッカーの試合は次の3試合。
10月12日 エヴァ―トン VS マンチェスター・U
10月18日 クリスタル・パレス VS ボーンマス
10月26日 フェイエノールト VS PSVアイントホーフェン
「Rakuten最強U-NEXT」は2025年6月に発表されており、初月のみ実質2,200円でサービスを利用できる先行キャンペーンが2025年9月まで実施されていた。この反響は大きく、楽天モバイル 常務執行役員CMOの河野奈保氏によると、開始から約3カ月で申し込み件数が10万件を超えたという。
U-NEXTには1つの契約で最大4人(親アカウント1つと子アカウント3つ)利用できるファミリーアカウント機能がある。「Rakuten最強U-NEXT」でもこれに対応し、U-NEXTコンテンツを最大3人まで(子アカウント3つ)無料でアカウントを共有できる。
電波状況は? 都心で5G基地局の増設、主要駅のエリア化も
楽天モバイルのエリア展開については、楽天モバイル 基地局設置統括部 ヴァイスオフィスマネージャーの大前悠美氏が紹介した。
楽天モバイルでは電波改善に関する不満の声が届くことは少なくなったものの、地上エリアでは都心を中心に5G新規基地局の増設や既存基地局のアンテナ調整などを実施し、混雑時のつながりやすさの改善を図る。また地上線・地下鉄の主要駅を中心に接続対策を推進する。
地下鉄では4G対策を進めており、例えば東京メトロでは167駅中約60%、大阪メトロでは117駅中約70%の対策を完了したとのこと。残りの駅は順次対応を進める。
このほか地下エリアでは飲食店などに小型基地局を設置。