グローバルベイスは10月2日、パワーカップルの住まい選びに関する調査の結果を発表した。調査は2025年6月26日、東京23区内在住のマイホームを所有する20~50代男女600名(パワーカップル259名/ミドル層341名)を対象に、インターネットで行われた。

○住宅を購入する際に、最も重視したポイント

今回の調査で明らかになったのは、高い経済力を持つ"パワーカップル"が、住宅選びにおいて価格よりも立地や周辺環境といった「暮らしの質」を優先しているという点。

東京都23区内に住むマイホームを所有する世帯年収1,400万円以上のパワーカップルを対象に、「住宅を購入する際に、最も重視したポイントを3つまでお選びください」と尋ねたところ、パワーカップルは価格を重視した人が38.2%にとどまった一方で、「立地(周辺環境)(59.5%)」「駅からの距離(45.6%)」が上位に挙がった。このことから、パワーカップルは毎日の生活環境や利便性を重視する傾向が読み取れる。一方で、ミドル層と比較すると、パワーカップルの方が「価格」への感度が約20%低いことがわかった。これは、パワーカップルが「予算ありき」の住まい選びではなく、「理想の暮らしを叶えるための住まい」に対して、柔軟な意思決定ができる余力を持っていると言える。

また、男女で比較すると、男性は女性より約10%「価格」を重視しており、女性は男性より約10%「日当たり」を重視していることが判明した。この差は、「資産性・費用対効果」を重視する男性と、「快適さ・暮らしの質」を重視する女性という傾向を反映していると考えられる。さらに、「新築かどうか」についても、女性のほうが7.6%重視する傾向が見られた。他にも、「広さ」「築年数」「デザイン・内装」なども女性のほうが重視する傾向が見られた。一方で、「立地」「間取り」「資産価値」「管理状況」に関しては、男性のほうが重視する割合が高い結果となった。

このことからも、女性は住まいに対してより理想や憧れを重ねる傾向があるのに対し、男性は資産性や管理といった現実的な視点を重視する傾向がうかがえる。

「意思決定の主導権」は誰が握った?


パワーカップルを対象に「住宅購入における意思決定の主導権は誰が握りましたか?」と訊いたところ、最も多かったのは「夫・どちらかといえば夫(52.5%)」で過半数を占めた。
次いで「妻・どちらかといえば妻(27.8%)」、「一緒に話し合って決めた(19.7%)」という結果になり、一定数の夫婦が共同で意思決定をしている様子も伺える。

また、「家を購入する過程で、パートナーについて"初めて知ったこと"があれば教えてください」と訊いたところ、男性がパートナーに対して初めて知ったことは「お金に対する不安や将来への備えが意外に強い/弱いと気づいた」が1位となった。また、女性がパートナーに対しては「相手の貯金額(資産状況)を初めて知った」が1位となった。

○パワーカップルの住宅購入後の"後悔"

パワーカップルを対象に、「購入後に"後悔した"と感じた点があれば教えてください。」と訊いたところ、最も多かった回答は「駅からの距離(15.8%)」だった。一方で、「特に後悔している点はない」と答えた人も約半数(44.8%)に上った。

男女別で見ると、女性の方が約20%後悔している結果となり、ほぼすべての項目において、女性の方が男性よりも後悔している割合が高い傾向が見られた。特に女性は、「駅からの距離(17.0%)」と「日当たり(17.0%)」を同率で最も多く挙げており、次いで「間取り(14.9%)」「デザイン・内装(13.8%)」と続く結果となっている。

このことから、女性の方が住宅に対するこだわりが強く、その分後悔も生じやすいことが伺える。なお、「駅からの距離」や「日当たり」といった立地や自然条件は購入後に変えることが難しい要素だが、「間取り」や「デザイン・内装」については、リノベーションによって後から改善することが可能。また、「駅近」を重視したいものの、新築マンションでは予算的に難しいという場合でも、中古マンションを購入し、オーダーリノベーションを活用すれば、駅近立地を確保しながら、自分好みの間取りや内装に仕上げることが可能となる。

このように、選択肢の多いパワーカップルだからこそ直面する"価値観のズレ"や"判断の難しさ"があることがわかった。
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