10月1日、東京都内にある「幼保連携型認定こども園すなはら」に、ローソンからお米60kgの贈呈が行われた。同社が8月5日から展開している食品ロス削減プログラム「FOOD GOOD SMILE」に基づいた寄付活動であり、全国47施設に向けたお米の贈呈の第一弾である。
○■「まさか当選するとは……」ローソンが認定こども園にお米を贈呈
ローソンは8月5日~11月3日まで、食品ロス削減と社会貢献を両立するプログラム「FOOD GOOD SMILE」を全国のローソンで実施している。消費期限が近付いて値引きシールが貼られたおにぎりを対象に、1個購入されるごとに1円分のお米が「全国社会福祉法人経営者協議会」を通じて施設へ寄付される仕組みとなっている。
この日、幼保連携型認定こども園すなはらを訪れたサステナビリティ推進室室長の鈴木一十三(ひとみ)氏は、「本日は『FOOD GOOD SMILE』の8月分の実績に基づいたお米を届けに参りました。認定こども園すなはらが全国初です。お子さんたちと一緒に美味しく食べていただければと思います」と挨拶し、高橋広美園長に直接お米を贈呈。お米を受け取った高橋園長は「美味しく頂戴します。ありがとうございます」と喜びと感謝を口にした。
今回の取り組みの背景には、福祉施設を取り巻く厳しい現状がある。近年の物価高騰により食材の仕入れコストは上昇し、施設の運営に大きな負担を与えている。給食費を抑えながら栄養バランスを整えるのは容易ではなく、多くの運営者らが深く頭を悩ませている。
そんななかでの支援に、高橋園長は「嬉しいです。食費だけじゃなくて全体が上がっていますが、給食代が上がっているのも事実です。
認定こども園すなはらの給食は基本的に、全てお米を主食にしているという。高橋園長は「パンやうどんでは腹持ちしません。やっぱりお米が美味しいですし、子どもたちも和食が好き。うちの園だけでも年間1トンぐらいはお米を使っています」と話す。
園の栄養士である森谷奈帆さんも、「白いご飯とお味噌汁がベースにあると、旬の野菜や魚を合わせられます。子供たちが今の季節に欲しているものを取り入れられるのが和食の良さなんです」とお米や和食のメリットについて説明した。
今回の寄付先は、全国社会福祉法人経営者協議会に加盟する施設の中から応募を募り、都道府県ごとに1施設ずつ、計47施設が抽選で選ばれた。東京都ではこの幼保連携型認定こども園すなはらが選定され、合計1,220kgのお米が贈られる予定。今回はその初回分として60kgが届けられた。
鈴木氏は「全国で8,000法人ほどあるなかから、400を超える団体からご応募いただきました。
「おトクを選べば、みんなが笑顔に。」とのスローガンを掲げる「FOOD GOOD SMILE」プロジェクト。事実、消費者が手に取るおにぎりの一つひとつが食品ロスを減らし、こうして全国の子どもたちの笑顔へとつながっていく。この小さな循環の積み重ねが、大きな社会的価値を生み出していく。今回の贈呈式は、まさにその象徴的な第一歩だ。
猿川佑 さるかわゆう この著者の記事一覧はこちら