Windowsで、OneDriveを使うと、特定のフォルダをバックアップしたのと同じことになる。しかし、3台以上のマシンでOneDriveを使うと、ファイルの衝突(コンフリクト)が発生することがある。
OneDriveはクラウドのサービスなので、調子よく動いているときには、バックアップとなりえるが、そうでないこともある。また、同期に通信が必要というのもデメリットの1つ。
ちゃんとしたバックアップを作りながら、同時にOneDriveを使うには、「ファイル同期」アプリを使い、ローカルフォルダと、OneDriveのフォルダを同期させるのがよい。
これで、ファイルを複数のマシンで共有しつつ、ローカルフォルダに保存しておくことができる。これでも心配なら、「ファイル履歴」などを使って、別ドライブにローカルファイルのバックアップを行うことができる。
筆者は、仕事用のファイルは、ローカルフォルダにおき、作業は原則、ここで行う。これをOneDriveのフォルダと同期させることで、他のマシンとの共有と、簡易なバックアップを行っている。
問題は、ここでファイル同期アプリに何を使うかということだ。筆者は、FreeFileSyncを使っている。
同期処理を「Batch」ファイル(cmd.exeのBatchとは異なる)として保存し、実行時にBatchファイルを指定可能できる。双方向の同期ができるというのも重要なポイントだ。
また、アップデートが頻繁で、ソフトウェア開発が続いていることから、Windowsのアップデートやバージョンアップに追従できている。
同期処理は、データベースを使い、前回の同期結果を記録する。これを使うことで、同期元、同期先のどのファイルが更新されたのかを判断できる。このため、ファイルの同期を双方向にできる。外出先には、OneDriveフォルダのファイルを直接編集し、同期を行わせる。一定時間ごとにFreeFileSyncを起動し、変更のあったファイルを取り込むことができる。
タスクスケジューラーの繰り返し時間は30分が適当である。これだけの時間があれば、外出前の変更をOneDrive側と同期できる。
なお、急ぐ場合は、外出直前にFreeFileSyncを起動して、強制的にOneDrive側フォルダと同期させる。よほど大きなファイルでもなければ、OneDriveは数分程度で同期を完了できる。
今回のタイトルネタは、映画「クラウド アトラス」(2012年)である。ファイル同期はときにクローンと呼ばれることもあることからクローン人間が登場する映画を選んだ。タイトルは、日本の作曲家一柳慧の「雲の表情」の英語訳から取られた。原作が英語なので、翻訳せず英語のカタカナ表記となったが、原作本「Cloud Atlas」(David Mitchell著、2004年。邦訳は2013年、河出書房新社)である。ちなみに映画でも原作本でも、1973年の映画「ソイレント・グリーン」のネタバレがある。