鉄鋼業は、まだまだ女性比率の低い業界のひとつです。そしてシステムエンジニアという職種もまた、女性比率の低い職種のひとつです。
本稿では2回にわたり、日本製鉄で働く女性社員にインタビュー。第2回は、システムエンジニアとして働いている、情報システム部 情報システム企画 情報システム企画第二室の廣町葉月さんにお話を伺いました。
○■製造現場をシステム面から支えられる仕事
廣町さんは、日本製鉄に入社して6年目の社内SE。大学では情報科学科で、数学や情報技術を専攻しており、プログラミングなどを実践形式で学んできました。
日本製鉄を知ったのは大学で開催されていた企業説明会とのこと。大学で学んだことを少しでも活かしたいと考えていた廣町さんが、日本製鉄を志望した理由はなんだったのでしょうか。
「もともとシステムの上流工程、つまりシステムの企画など、課題に対して提案をできるような立場の仕事に興味がありました。そこから企業研究を進めていき、当社の工場見学イベントに参加したのですが、品質管理やライン管理などのさまざまな専門家の方たちと協力しながら課題解決を行っている様子を見て、ここで働いてみたいと思ったんです」(廣町さん)
イベントで社員が楽しそうに、熱意を持って話をしてくれたことが心に残っているという廣町さん。この様子も、日本製鉄で働きたいと思った動機になったそうです。
「想定していたよりもダイナミックな製造現場で、業務効率化とか生産性向上を目指したシステムを作るんだなって。大きい現場のなかで携われる部分はミニマムかもしれないけれど、システム技術を活用してモノづくりの根幹を支えるところに魅力を感じました」(廣町さん)
○■情シスが地方の製鉄所で学んだこと
こうして廣町さんは日本製鉄に入社し、まず東日本製鉄所 鹿島地区の情報システム部に配属されました。
「実際に現場に行ってみると、知識や経験がすごく活かされているという印象を受けました。システム化も進んではいるものの、根幹の部分はやはり人が培ってきた技術や知見によって動いている部分が大きいんだなと感じましたね」(廣町さん)
廣町さんはこの東日本製鉄所 鹿島地区で3年間にわたりシステム開発に携わってきました。そのなかで、上司から言われた言葉が心に残っていると語ります。
「上司からよく言われていたのは、“現場に行く”ということです。システム部員はデスクワークが中心になりがちですが、目で見て学ぶことがすごく大事だと言われていました。また、鉄の知識も理解する必要があり、大学ではまったく勉強していなかったことなので難しさを感じました。現場で見たり若手の勉強会で学んだりしながら、インプットとアウトプットを繰り返して勉強していましたね」(廣町さん)
東日本製鉄所 鹿島地区は他の製鉄所と比べても原料が多く、鉄鉱石一つにしても倍近い銘柄があり、「スケジュール管理が大変だろう」と廣町さんは思っていたそうです。しかし実際には、熟練のベテランが工夫を凝らして決めていくという部分が多く、鉄づくりの奥深さを学んだと言います。
ユーザーの喜びの声がやりがいに
製鉄所の現場でシステム開発以外も吸収してきた廣町さんが、次に配属されたのは、本社の情報システム部でした。
「本社では、各所のシステムや取り組みを聞いて視野を広げる中で、例えば鹿島地区で作られた仕組みが他の製鉄所でも使えるか、あるいは鹿島地区の製銑工程で使われている仕組みが他の工程でも使えるかなどを検討する仕事が中心です。
システムの改善に取り組むという点で見れば、廣町さんの業務内容は同じです。しかし、鹿島地区のシステムをいかに良くするかという現場直結型の仕事が中心だった前部署に対し、本社の仕事は現場から少し離れています。「全国にある各製鉄所の良さを客観的に広い視点で見て考えることができます」と、廣町さんはその違いについて説明します。
そんな廣町さんは、日本製鉄でのお仕事にどんなやりがいを感じているのでしょうか。
「ユーザーさんが近くにいるので、喜びの声が聞きやすいことがやりがいに繋がっています。システムを導入した後も、使っている人が同じ建物や同じフロアにいるので、時間があるときに雑談ベースで『どうですか?』と聞くことができます。また、評判が広がって他品種や他製鉄所へ導入する話に発展し、新たな仕事に繋がると、頑張って良かったなと実感します」(廣町さん)
所属している情報システム企画第二室では、顧客の利用するシステム構築も業務の一環とのこと。「システムを導入したことで、それまで電話やFAX、メールでやっていた作業が使いやすく効率的な仕事の仕方になった」という声も届くそうです。
○■男女の差を感じることなく働ける職場環境
鉄鋼業はもともと男性比率が高く、またSEという仕事も男性が選択することの多い業務。世界的な鉄鋼メーカーである日本製鉄であっても、最近女性が増えたとはいえ、比率で見るとまだまだ少ないのが現状です。しかし、廣町さんは「実際に入ってみると、そういうところはあまり感じられませんでした」と語ります。
「正直、女性と男性で差は感じていません。
そんな廣町さんが良いと感じているのは、日本製鉄の研修制度です。
「研修制度がすごく充実していると思います。入社時は鉄の知識があまりない状態でしたが、鉄の組織学の研修があったり、情報システム専用の研修があったりします。また、課題分析のような仕事の進め方に関する研修もあるので、たくさん学ばせてもらいました」(廣町さん)
さらに、福利厚生面の充実度に関しても言及。とくに社員寮は、駐車場込みでも家賃が驚くほど安く、しかも水道・光熱費もかからないそうです。
「鹿島にいた時は夏にバーベキューや釣りをする会など、自然を活かしたイベントで社員同士の交流がたくさんありました」(廣町さん)
○■管理職を目指してプロジェクトを先導したい
情報システム企画第二室において、情シスとして性別に関わりなく活躍している廣町さん。そんな廣町さんに、今後の目標を伺ってみました。
「これまではプロジェクトの一員として仕事をすることが多かったですが、6年目になると管理職も見えてくるタイミングです。今後は自らプロジェクトを先導していけるよう、自分から提案もできる人になっていきたいと思っています。ライフステージが変わっても、充実した福利厚生の制度もあるので、挑戦を続けていきたいです」(廣町さん)
<日本製鉄で働く女性社員にインタビュー>
【第1回目】“鉄”を通して社会の基盤を支えている - 日本製鉄で働く女性社員が語る、やりがいと今後のキャリア
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