日本製鉄は10月9日、日本航空(JAL)の機内カトラリー向けに開発した省資源・高純度フェライト系ステンレス鋼「NSSC FW2」の累計出荷量が500トンを突破したと発表した。2017年より供給を開始しており、約8年間での達成となる。
○NSSC FW2シリーズの概要
NSSC FW2シリーズは、日本製鉄が独自開発した世界初の錫(Sn)添加・省資源高純度フェライト系ステンレス鋼で、汎用鋼種SUS304と同等の耐食性を持ちながら、レアメタルの添加量を35%削減した環境配慮型の素材だ。
これまでに日経優秀製品サービス賞・最優秀賞、日経産業新聞賞日本金属学会「技術開発賞」、第4回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞などを受賞している。
日本航空での採用は、省資源で環境に配慮したエコ素材であることに加え、研磨後の優れた光沢と美しい色味が評価されたもので、ファーストクラスを始めとするすべてのクラスで使用されているとのことだ。
同素材は、省資源性から価格安定性に優れるとともに、フェライト系ステンレス鋼としては最高水準の加工性を有し、適正な加工条件下ではSUS304と同等の成型加工が可能だという。
日本製鉄は今後も、持続可能な開発目標(SDGs)に合致した製品開発を進め、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。