ENEOS、西日本JRバス、日野自動車の3社は10月9日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の駅シャトルバスにおいて、CO2から製造した合成燃料を100%濃度で使用した運行を達成したと発表した。再生可能エネルギーを起点とした合成燃料を営業車両に用いるのは国内初となる。
段階的に剛性燃料の濃度を引き上げ、100%を実現
大阪・関西万博は4月13日から10月13日までの184日間開催されており、3社は開幕以降、会場への駅シャトルバスを運行している。実証運行では、合成燃料の実用化に向けた検証を目的に、当初は低濃度の混合燃料から段階的に濃度を引き上げ、このたび100%での運行を実現した。総走行距離は約25,000kmにおよぶという。
合成燃料は、再生可能エネルギー由来の水素とCO2を原料とし、製造から利用までのライフサイクル全体でCO2排出量を抑制できるクリーン燃料とされる。3社は、合成燃料を使用した万博シャトルバスの運行を通じて、カーボンニュートラル社会の実現と、大阪・関西万博が掲げる「EXPO2025 グリーンビジョン」の達成に貢献してきた。
ENEOSは、こうした次世代燃料の技術開発と実証研究を進めており、その研究はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術プロジェクト」にも採択されている。
3社は、燃料・車両・運行の各分野での連携を通じて、合成燃料の普及とともに、大阪・関西万博が掲げる「EXPO2025 グリーンビジョン」の達成に貢献していくとしている。