昭和レトロブームの追い風を受け、二次流通で存在感を増しているのが「アデリアレトロ」のグラスだ。2018年にアデリアが発売した復刻コンセプトシリーズで、SNSを中心に"昭和っぽい"花・果物・動物モチーフのデザインが再評価。
買取業の「買いクル」を運営する株式会社RCのCSO・島津大輔氏に、市場動向を聞いた。
――「アデリアレトロ」とはどのようなシリーズで、いつ頃から話題になっているのでしょうか?
「アデリアレトロ」とは、2018年にアデリアが昭和期の意匠をモチーフに立ち上げた復刻テイストのシリーズです。花や果物、動物などの"昭和っぽい"図柄がSNSでバズり、累計100万個超のヒットになっています。
これを契機に、現行の「アデリアレトロ」だけでなく、昭和当時の柄グラスやカップなどの需要も底上げされました。
――どのような層から支持を集めているのでしょうか?
SNSの投稿からブームが広がっており、昭和レトロの回帰トレンドに敏感な若い層から、当時を懐かしんで購入する年配の層まで、幅広く支持されています。
熱狂的なコレクターが買い集めているというよりも、「この柄が欲しい」と思って商品を探したけれど新品で見つからず、二次流通市場に流れてくる、というライト層が多いように感じています。
――高値が付くのはどのようなアイテムですか?
「アデリアレトロ」の中でも、生産終了した限定カラーや柄、初期ロット、箱付き完品は二次流通でプレミア化しやすいです。希少な柄のセット完品では、4万5,000円での販売実績もあります。
またアデリア製に限らず、昭和当時の花・果物・動物柄のグラスに買い手がつきやすい傾向にあります。
――未使用品でないと売れないのでしょうか?
使用品でも状態が良ければ3,000円程度で動くケースが一般的です。新品・未使用品であったり、箱が付いていたりする場合は、その1.5倍~2倍程度に上振れする傾向にあります。
使用品の場合、生活臭・カビ臭などのにおいがあると売却は難しいかもしれません。また、ガラスの黄変・くもり、擦り傷・欠け、プリントのスレや剥がれなどもマイナスポイントとなります。
「アデリアレトロ」でなくとも、アデリアレトロに使われている花・果物・動物柄のようなグラスがもし自宅にあれば、高値で売れる可能性があるとのこと。"それっぽい"グラスがないか、一度実家の食器棚の中を覗いてみては?
島津大輔 しまづだいすけ 株式会社RC CSO/フランチャイズ 本部責任者、SevenStarsIslands株式会社 SNS事業責任者、買いクル本部 中学・高校・大学 特別授業講師。2018年、出張買取サービス「買いクル」初期立ち上げメンバーとして株式会社RCに参画。買いクルフランチャイズ全国122拠点への展開・教育体制構築に貢献し、2024年から現職。外部の企業PR、新サービス開発コンサルティング事業にも携わり、事業開発と現場支援を両立。SNS講師として教育機関・自治体・企業研修で登壇実績多数。 この著者の記事一覧はこちら