鎌倉新書は10月14日、「第1回 葬儀費用の実態と納得度調査(2025年)」の結果を発表した。調査は2024年8月1日~8月31日、同社が運営する「いい葬儀」を利用し、葬儀を実施した1,840名を対象にインターネットで行われた。
○葬儀費用の見積もり額と支払い額
葬儀社から事前に提示された見積もりの金額と実際に支払った金額について、1,840名中620名(33.7%)が「増えた」、1,220名(66.3%)が「同じ」と回答した。つまり、約3人に1人は見積もり額より支払い額の方が増加している。
見積もり額より支払い額の方が増えたと回答した人(620名)の金額を見ると、平均値は見積もり額85.3万円、支払い額104.7万円で差額は19.5万円。中央値は見積もり額76.0万円、支払い額93.0万円で差額は17.0万円と、いずれも支払い額の方が高くなる傾向が確認された。
○葬儀費用に対する納得度
一方で、葬儀費用に対する納得度を確認すると、73.3%が「納得している」「やや納得している」と回答。「納得していない」「やや納得していない」と回答した不満層は9.2%にとどまった。
「どちらともいえない(17.5%)」を含めると、90.8%が葬儀費用に対して大きな不満を抱いていないことがわかり、遺族の納得度が単純な金額の増減だけでは決まらないことを示している。
○葬儀費用に納得している理由
葬儀費用に納得している理由を尋ねると、最も多かったのは「費用に対してサービスの質がよかった(38.3%)」だった。これは、支払った金額に見合った、または金額以上のサービスが提供されたかどうかが満足度に影響を与えていることを示している。実際に、「期待以上で大変満足している」「お値段以上の価値があった」といったコメントが見られた。
次いで多かったのは「費用の説明が十分だった(20.9%)」、「見積もり通りの費用だった(17.5%)」だった。「費用の内訳を一つひとつ説明いただいた」「追加料金がなく、見積もり額と支払い額が同一だった」といったコメントが見られ、丁寧な対応や価格の透明性が納得度を高めていることがわかる。
○葬儀費用に納得していない理由
反対に、葬儀費用に納得していない理由では、「想定していた費用と差があった(27.7%)」が最多となった。具体的には「広告の金額とかけ離れている」「見積もりの倍の金額を請求された」といった声が寄せられており、想定費用とのギャップが不満に直結している様子がうかがえる。
次いで「費用の説明が不十分だった(25.5%)」、「サービスの質に不満があった(17.0%)」が続き、「何が含まれているかわからないまま多額の支払いになった」「担当者の対応に不信感があった」などのコメントが見られた。具体的には「何が含まれているかわからない、言われるままにしたら多額の支払いになった」、「営業担当者の対応が悪く、気持ちよく葬儀ができなかった」、「初回打ち合わせで、高いプランを一方的に案内されて不信感があった」といった声が寄せられている。
これらの結果は、葬儀費用に納得している理由の裏返しとなっており、価格の透明性や丁寧な説明を欠いたコミュニケーションが、不満の主な原因であることを示している。