加湿器や石油ファンヒーターで国内トップシェアを誇るダイニチ工業は、本格的なコーヒーメーカー「MC-SVD40A」を自社ECサイト「ダイニチWebshop」において12月24日に発売する。
○名店のバリスタ2名が抽出モードを監修
「MC-SVD40A」はフルーティーな酸味が特徴の「ニューウェーブ」と深煎りの「クラシック」という2つの抽出モードを1台で再現できる。
ニューウェーブモードでは浅煎り豆の酸味と香りを鮮やかに引き出し、クラシックモードでは喫茶店で味わうような濃厚で落ち着いた味わいを楽しめる。家庭用コーヒーメーカーでこの2つのモードを両立している製品はほとんどないという。
○試作を重ね、味のバランスを崩さない抽出方法を開発
開発担当者が最も苦労したのは、ハンドドリップならではの「回しかけ」を機械でどう再現するかという点だった。固定式ノズルではお湯のあたり方にムラが出て、味のバランスが崩れやすく、渋みも出てしまったという。そこで採用したのが、「回転式ノズル」と「二重吐水構造」だ。
内側と外側でお湯の流量を変え、蒸らしと抽出を同時にコントロールすることで、豆の層を崩さずに成分をむらなく引き出せるようになった。回転速度やお湯の出るタイミングを調整するため、監修者に相談しながら、数十回にもおよぶ試作を重ねたという。
2人のバリスタによる抽出スタイルはまったく異なり、当初は「どちらか一方に絞る」案もあった。しかし最終的には、両方の味を1台で楽しめるようにする方針を選んだ。
「味の方向性が正反対だからこそ、1台で再現する意味があると思いました」(開発担当者)
○生活になじむ洗練されたデザイン
操作はとてもシンプル。水をタンクに入れ、抽出モードと豆の焙煎度を選ぶだけ。
デザインは直線的でシャープな印象に統一しつつ、黒をベースにボトルと透明タンクを組み合わせ、重さを感じさせないことを意識している。透明タンクには、同社の加湿器開発で培った「水を美しく見せる」技術が活かされている。デザインを手がけたのは加湿器と同じデザイナーだ。
「家電としての存在感と、キッチンインテリアへの調和を両立させました」(開発担当者)
販売価格は税込49,830円。家庭でのコーヒー需要は、コロナ禍以降も高い水準が続いている。外食や缶コーヒーの利用が減る一方で、自宅で「自分好みの一杯」を楽しむ人が増えているという。
家庭でも専門店の味を求める動きが広がる中、ダイニチ工業は「MC-SVD40A」の発売にあわせて、イベント出展や体験型のプロモーションを積極的に行っていく予定だ。