KDDIは10月16日、AIを活用した新規事業創出プログラム「KDDI AI駆動共創プログラム」を提供開始することを発表した。顧客企業の新規ビジネス創出やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をサポートする「KDDI DIGITAL GATE」が提供していた新規事業創出プロセスに、独自開発したAIツールを組み込むことで新規事業創出や業務改善を支援する。


KDDI DIGITAL GATEがこれまで提供してきた従来のプログラムでは、サービスデザイナーがテーマの掘り下げから課題発見、アイデアの発散と具体化、技術検証の各ステップについて、各種フレームワークを駆使して参加者の思考と創造を支援してきた。

これに対し新しいプログラムでは、各検討ステップで人の思考の拡張やプロセスを高速化するための独自のAIツールを提供。これにより、顧客企業支援の効率化と高度化を図る。従来は3~5日間かかっていたプロセスを、最短1日で完了できるとのことだ。

○開発背景

顧客ニーズの多様化や製品のライフサイクルの短期化が進む現代において、企業が持続的に成長し続けるためには、新たな収益源を確保し、競争力を維持および強化していく必要がある。

財務省の調査によると、新規事業の立ち上げや異業種への参入に取り組む企業の約7割が、「人手不足」や「専門的知見の不足」を主なボトルネックと感じており、思うような成果を得られていないという。

また、新規事業に取り組んでいない理由として最も多いのは、「現行の事業を優先する」(67%)であり、次いで「人手不足・専門的知見の不足」(50%)、「社内の体制整備」(28%)などが挙げられている。これらの結果から、人的リソースや専門的知見の不足が、事業検討の大きな障壁となっていると考えられる。

KDDI AI駆動共創プログラムは、HCD-Net(人間中心設計推進機構)が認定する人間中心設計の専門家であるKDDI DIGITAL GATEのサービスデザイナーが中心となり、事業共創プロセスをファシリテーションする。

各検討ステップにおいて最適なAI活用と効率的なプロセス設計を実現し、検討時間の大幅な短縮と品質の向上支援するという。また、負荷軽減のためにアジャイル型のアプローチを採用し、複数回のシミュレーションを通じて理想的な事業モデルを追求できる利点も備える。さらに、進化する生成AIに迅速に対応できる組織体制により、AIツールの新規開発とアップデートを実現するとのことだ。

○KDDI DIGITAL GATEについて

2018年に虎ノ門に設立されたKDDI DIGITAL GATEは、アイデアの仮説の具体化から検証、改善までのプロセスを推進し、新規ビジネス創出やDX推進をサポートする組織。在籍しているビジネス開発、UX(User Experience)リサーチャー、プロダクトオーナーリード、ソフトウェアエンジニア、デザイナー、といったプロフェッショナルなメンバーと顧客が共にチームを形成し、DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトを推進する。現在はKDDI高輪本社内のTSUNAGU BASEを拠点に活動している。
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