●
スパルタンな丸目二灯にフルカバードのカウリング。そして、“油冷”と呼ばれる独自のエンジンを搭載していたこのモデルの名前は何でしょうか?
ヒント:今年で40周年を迎えるスズキのモデルです
1985年のデビューでビッグバイクの世界を一変させ、今年2025年に40周年を迎えるスズキの長寿ブランドです。
――正解は次のページで!
●
○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】スズキ「GSX-R750」
正解はスズキ「GSX-R750」でした!
スズキの超高性能ロードスポーツを示す“GSX-R”。その名称を初めて与えられたのは、1984年に400ccで登場した「GSX-R」でした。市販車とは思えないレーシーなルックスと性能で、レーサーレプリカブームを一気に加速させたバイクです。そして、翌1985年にその過激なコンセプトを750㏄クラスに投入したモデルが「GSX-R750」でした。
750ccというと若い人には中途半端な排気量に思えるかもしれませんが、「GSX-R750」が登場した1985年当時は、国内外レースのレギュレーションで定められた最大排気量でした。当時は日本国内で市販できる排気量も750ccまでで、ホンダ「CB750」やカワサキ「750RS(ZⅡ)」といった名車の影響もあり、“ナナハン”はビッグバイクの代名詞でもあったわけです。
そのため、ドゥカティやBMWをはじめとする外国の輸入車や国産の逆輸入車としてオーバーナナハンのスポーツモデルは存在するものの、やはり“ロードスポーツの最高峰はナナハン”というイメージが定着していました。
話を「GSX-R750」に戻しますが、そんなナナハン・スポーツでも市販車両は高速ツアラーとしての実用性やビッグバイクにふさわしい質感も重視されたため、乾燥重量は200kgを大きく超えていました。そのため、レース用に使う車両は余計な装備を取り外し、フレームを含めたすべてのパーツを作り直すなど大幅な改造をする必要があったのです。
ところが「GSX-R750」はまるでレーシングマシンに保安部品をつけたような過激なスタイルで、先行デビューしていた「RG250ガンマ」や「GSX-R(400)」で培ったアルミフレームを大型車に初採用し、従来のナナハンより約40kgも軽い179kgというスペックが世界中のライダーを驚かせました。
徹底した軽量化の一環として、エンジンも独特なものが開発されました。
1980年代はパワーが向上する一方で発熱量の増加が課題となり、これを解決するために空冷から水冷への移行期に入っていましたが、当時の水冷システムは重量やサイズの増加を招くというデメリットもありました。
正確にいえば「油冷」は「空冷」ですが、それは水冷に対抗できる“究極の空冷”といえる画期的なシステムでした。軽くてコンパクトであるにもかかわらず、馬力規制のない輸出車では100馬力、キットパーツを組めば130馬力以上を発揮します。また、エンジンの造形はカウリングで隠すのが惜しいほど美しく、シリンダーから鳴り響く力強いサウンドは現在も多くのファンを魅了してやみません。
過激なルックスと圧倒的なスペックを備えてデビューした「GSX-R750」は、早々にスズキ系の名チューナー「ヨシムラ」とのタッグでル・マン24時間耐久ロードレースを制覇し、全日本選手権(TT-F1)でもチャンピオンを獲得して実力を証明してみせました。また、メーカーワークスや有力チームより資金力の少ないプライベーター達にもチャンスを与え、ケビン・シュワンツやニッキー・ヘイデンなど、数多くのグランプリライダーを輩出しています。
当然ながら世界的な大ヒットを記録した「GSX-R750」は、翌年には乾式クラッチやステアリングダンパーなどを装備した500台限定の特別仕様車(GSX-R750R)や、レースレギュレーションの排気量を超えたスポーツ・フラッグシップ(GSX-R1100)もラインアップに加えます。その後は技術進化に合わせてエンジンは油冷から水冷に、フレーム形状も美しいダブルクレードルからツインスパーに移行しましたが、これらは「GSX-R」というモデルには過去の栄光や伝統よりも“サーキットで勝つ”という明確な目標が与えられていたからでしょう。
その後、バイクやレース人気が落ち込んだ時期も、レースのレギュレーション変更で主力を「GSX-R1000」に譲った後も、スズキは「GSX-R750」をラインアップから外すことなく、現在も輸出車として販売しています。今年の2025年で40周年を迎えていますが、レースとサーキットを愛する人がいる限り、スズキは「GSX-R750」を作り続けてくれるでしょう。
それでは、次回もお楽しみに!
津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。











![[USBで録画や再生可能]Tinguポータブルテレビ テレビ小型 14.1インチ 高齢者向け 病院使用可能 大画面 大音量 簡単操作 車中泊 車載用バッグ付き 良い画質 HDMI端子搭載 録画機能 YouTube視聴可能 モバイルバッテリーに対応 AC電源・車載電源に対応 スタンド/吊り下げ/車載の3種類設置 リモコン付き 遠距離操作可能 タイムシフト機能付き 底部ボタン 軽量 (14.1インチ)](https://m.media-amazon.com/images/I/51-Yonm5vZL._SL500_.jpg)