近年、オニツカタイガーが海外で急速に注目を集めています。
服や靴に限らず、ファッションにおいて日本は海外ブランドのトレンドを追う立場であることが多い中「日本発のブランドが世界で高く評価されている」といった旨のニュースを小耳に挟めるのは、大変喜ばしいことです。
オニツカタイガーが人気を集めるようになった背景には、世界的なスニーカートレンドの変化に加え、日本ブランドならではの独自性、そしてインフルエンサーやSNSによる拡散力といった、複合的な要因があると考えられます。
今回は、オニツカタイガーが注目されるに至った経緯やその実態について、詳しく掘り下げていきたいと思います。
時代はレトロスニーカーブーム、シンプルかつクラシックな最新トレンド
日本におけるスニーカーブームは、2010年代中頃から大きな潮流が見られるようになりました。ただし、スニーカーの「トレンド」と一口に言っても、時代によって人気のモデルは異なります。
例えば初期のスニーカートレンドとはもっぱら、“ハイテクスニーカー”が主流でした。ナイキのエアマックスシリーズや、リーボックのポンプフューリーといった、90年代に登場したハイテクスニーカーが人気だったのです。
そこから時代が進み2010年代後半からはダッドスニーカーと呼ばれるジャンルが確立し流行。バレンシアガの「トリプルS」を筆頭とした、ボリューム感のあるデザインが人気を博しました。
しかし、近年はその流れがまた大きく変化。現在は“レトロスニーカーへの回帰”がグローバルなムーブメントとなっており、具体的にはアディダスの「ガゼル」や「サンバ」直近ではプーマの「スピードキャット」など、シンプルかつクラシカルなモデルが再評価される傾向にあります。
この「レトロスニーカー」のトレンドという文脈の中で、オニツカタイガーもまた脚光を浴びるようになった。というのが大枠の流れとなります。
人気に火が付いたのはいつから?
オニツカタイガーが海外で一気に注目を集めた時期をあえて区切るとすれば、2024年頃からと考えます。同年11月には、フランスのファッションブランド「Patou(パトゥ)」とのコラボレーションが発表され、大きな話題を呼びました。
また、SNS上での拡散も人気を強く後押ししています。
欧州ではカイア・ガーバーやベラ・ハディッドといったセレブリティが愛用。アジア圏ではTWICEのモモさんが2022年の10月にブランドアンバサダーに就任しており、2025年春夏には彼女を起用したヴィジュアルが公開されました。
日本でも『ViVi』モデルのセイラさんが私服で愛用するなど、影響力のある人物を通じて、ブランドの魅力が広く浸透しているようです。
中でも人気かつオススメのモデルを一つ挙げるなら、「Mexico 66」です。
1966年にメキシコオリンピックに向けて開発されたモデルで、オニツカタイガーのシューズの中でもシグネチャーアイテムとして知られています。おじさん世代ですと、映画『死滅遊戯』(1978年)『キル・ビル』(2003年)のイメージが強いという人もいるかもしれませんね。
○海外からの人気が急上昇、その魅力とは?
日本製の靴は、海外でも「価格は高めだが、品質が優れている」と評価されています。中でもオニツカタイガーは、アシックスの前身として誕生した長い歴史と実績を持つブランドであり、“Made in Japan”というブランド価値が、その品質の証として海外の消費者から高く支持されています。
また、オニツカのスニーカーは、控えめながらも一目でわかるアイコニックなストライプ(オニツカタイガーストライプ)も特徴的。
日本はブームの発信地? 最新のスニーカーブーム何が起きているのか
近年、スニーカーショップではオニツカを求める海外観光客の姿を多く見かけます。私自身、オニツカの店舗を訪れた際「確かに海外のお客さんが多いな」という感想を率直に持ちました。
こういった様子を見ていると、「今、日本のスニーカーブランドが世界で流行っている」と思わず言いたくなる所。
しかし実際のところは、現在のグローバルなスニーカートレンドの延長線上で、オニツカタイガーやアシックスの一部モデルが需要にハマった、という見方が現実的でしょう。
つまり、オニツカタイガーが一大ムーブメントの先頭を走っているというよりは、大きな波に上手く乗った存在……。いわばマイノリティの中のヒットブランドという立ち位置に近いと思われます。
とはいえ、こうした再評価をきっかけに、オニツカタイガーというブランドがさらに飛躍する可能性は十分にあります。
もともと実力と歴史を兼ね備えたブランドであるからこそ、今のブームが一過性に終わらず、次のフェーズへとつながっていくことを期待したい。
これから先、2020年代後半のファッションシーンにおいて、オニツカタイガーの存在感がますます強くなっていく未来を見たいものですね。
とあるショップのてんちょう セレクトショップの店長/バイヤーとしての経験を持ち、現在もアパレル業界に身を置く。「とあるショップのてんちょう」として、YouTubeをはじめとする各メディアで情報を発信中。











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