仕事に趣味にリスキリングと挙げただけでも、その下には、やらなければならない項目や、やりたい項目がたくさん広がる。せっかくリスト化した項目をガリガリ実行したいのにと思っている人も多いのでは無いだろうか。
遥か遥か昔、調理に何時間もかけて毎日メニューの異なる夕飯を準備していた母親の姿を思い出す。ギッシリと書き込まれた調理用のレシピ帳を片手に、複数のコンロで鍋物とフライパンを分けて数種類の調理を行っていた。濃い味付けの好きな父親用の品と子供用の品を分けて何品も食卓に並べていることもあったが、今から全工程を考えると相当なタスクだ。いったいどのような方法でこのハードワークを毎日クリアしていたのだろう?
そのヒントは料理における"同時調理"に隠れていたのかもしれない。
レシピサービス「クックパッド」を運営するクックパッドが行ったレシピの検索動向の調査結果(ニュースリリース)では、「同時調理」検索は過去10年で3.5倍以上に増加。共働き世帯を中心に30代~50代層からの検索が顕著だと発表している。同社は「共働き化による時間制約」とそれに伴う「食事管理時間の短縮」という社会構造の変化を指摘する。
クックパッドにある実に美味しそうな「同時調理 照り焼きチキン&きのこリゾット」(cookpad.com)を見てみるとレシピでは12工程。「皮目をフォークで約10箇所刺す」「ジッパー付き保存袋に入れ、袋の上からもみ混ぜる」「空気を抜き閉じ、皮目を下にバットに置き、冷蔵庫で1時間~ひと晩漬ける」「お湯を沸かし、オーブンの予熱が出来たら、【C】を混ぜ合わせて、⑧に注ぎ、きのこをのせる」・・・と端的にまとめてある。
「料理レシピ」自体がToDoリスト(やるべきことをリスト化し、優先順位や進捗を管理する基本的な方法)であるわけだが、よくよく見ると同時調理のレシピには著名な時間管理術が潜んでいるように思える。
タイムブロッキング
時間を予定表にブロック単位で割り当て、集中すべき作業を明確化する手法。
GTD(Getting Things Done)
頭の中のタスクをすべて外部に書き出し、整理・実行することでストレスを減らす体系的な手法。
アイゼンハワー・マトリクス
緊急度と重要度の2軸でタスクを分類し、優先順位を明確にする意思決定ツール。
Pareto原則(80/20ルール)
成果の80%は20%の重要な要素から生まれるという考え方。重要な少数に集中する。
Deep Work(深い仕事)
集中力を最大限に活かし、認知的に負荷の高い作業に没頭する働き方。
・10分で煮込み5分で下ごしらえなど調理工程を時間単位でブロック化するタイムブロッキング
・先に米を炊く→その間に副菜のようにと全工程を一度書き出し、順序と依存関係を整理するGTD(Getting Things Done)
・「火を止める」「冷蔵庫に入れる」「後で盛り付ける」など緊急度と重要度で判断するアイゼンハワーマトリクス
・味の決め手を下味や火加減などの少数の工程に集中するPareto原則(80/20ルール)
・火加減や盛り付けなどを集中状態と捉えて負荷を制御するDeep Work
のようなエッセンスだ。
同時調理の明確な目的はマルチタスク処理だが、優れたレシピは「煮てる間に切る」「焼いてる間に洗う」など工程の重なりを切り出してブロックをマルチタスクに設計し、予期せぬ焦げや忘れ物に備えて、余裕時間を設けるバッファ設計なども明文せずとも内在する。ユーザーの実践によって優れたレシピが残り、伝承されていくのだ。
人はたいていの場合、食事は毎日する。そしてそこには料理が関わる。約200万年前の旧石器時代に火を使用することで調理がはじまり、以来おいしさを追求した多様なレシピが現在まで形を変容しながら継承されているわけだが、情報化された現代の多忙な時代に"同時調理"という新たな息吹が本格化しはじめていることを感じたと同時に、料理を含む既存の優れた工程から抽象化したフローを抽出すると面白い発見がありそうだと思った次第だ。











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