7月クールの夏アニメ作品の関連曲を対象に、JOYSOUNDのカラオケ歌唱回数に基づく「2025年 夏アニメ主題歌 カラオケランキング」が発表された。配信コンテンツ視聴者数ランキングとカラオケランキングの双方を照らし合わせ、夏アニメのトレンドをひも解いていく。
また、新作アニメを紹介する番組『つづきみ』のMCを務める吉田尚記アナウンサーと女優・タレントの結が、このランキングの感想を語った。

今シーズン、カラオケで最も歌われたのは、『ダンダダン』第2期のオープニングテーマ、アイナ・ジ・エンド「革命道中 - On The Way」。エンタテイメント業界に向けたデジタルマーケティングサービス・GEM Partnersが調査・集計した定額制動画配信サービスにおけるアニメ作品の視聴者数ランキングでも本作が首位を獲得し、第1期に引き続き1位となった。

話題作の放送開始にあわせて主題歌が大きな支持を集めた今夏、『ダンダダン』第2期のオープニングテーマ、アイナ・ジ・エンド「革命道中 - On The Way」が堂々の1位を獲得。オカルト×青春という作品の世界観に寄り添った幻想的なメロディがリスナーを魅了し、エンディング・テーマのWurtS「どうかしてる」も6位にランクインした。

また、全6話ながら大きな話題となった『タコピーの原罪』も健闘し、オープニングのano「ハッピーラッキーチャッピー」が2位にランクイン。“救いを求める声”を歌詞に込めたダークポップ×エモロックな一曲として注目を集めた。

続く3位は『光が死んだ夏』のオープニングテーマ、Vaundy「再会」。原作漫画を読んだときに感じた、ページをめくるごとに何が起こるかわからない不安感をそのまま曲にしたという、不穏なイントロから始まるこの楽曲は、サビで青春×夏の爽快感を感じさせるメロディへと展開。作品の世界感と響き合う構成が支持され、繰り返しこの曲を楽しむファンが増えている。

そして、意外な動きを見せたのが、アニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』の主題歌、キャンディーズ「銀河まで飛んでいけ!」。昭和の楽曲でありながら、今回のタイアップで若い世代に再発見され、歌唱数が急上昇。
ランキング圏外から飛躍的に順位を上げて10位を獲得、アニメをきっかけとしたリバイバルヒットとなった。

今季の配信コンテンツ視聴者数ランキングでは、人気作の続編が上位を占め、納得感のある結果となった。首位はカラオケランキングと同様、『ダンダダン』第2期。同作は前作も視聴者数ランキングで1位、Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)が手掛けたオープニング主題歌「オトノケ」がカラオケランキングで1位を記録しており、2期連続で作品・主題歌の両面での人気の高さを示す結果となった。

一方、『怪獣8号』はオープニング・エンディングともに洋楽のためカラオケランキングでは振るわなかったものの、視聴者数ランキングでは2位にランクイン。『ゴジラ-1.0』の世界的ヒットによる怪獣ブームを背景に、第1期から国内外で盛り上がりを見せている。

また、カラオケランキングで3位となった『光が死んだ夏』は、配信プラットフォームが限定的であったためか、視聴者数ランキングでは8位とやや控えめの順位に。このほか、アニメ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』は、視聴者数ランキングでは圏外だったが、オープニングテーマのナナヲアカリ「ムリムリ進化論」がカラオケランキング14位を獲得。ラブコメ作品の明るくポップな主題歌は、カラオケにおいて毎クール一定の人気を得る傾向がうかがえる。

○『つづきみ』MC吉田尚記アナ×結対談

吉田:今シーズンのアニソンランキングは定番が強く、順当な結果になりましたね。

結:1位の「革命道中」や2位の「ハッピーラッキーチャッピー」は、歌い方にかなり癖がありますよね。特に「革命道中」のサビなんて、まさに“がなる”(大きな声を張り上げる)ような歌い方で、一度歌ってみたくなる気持ちもわかります。
ショート動画でも耳にすることがかなり多かったので、聴き馴染みがあるぶん、難しい曲でも挑戦してみようと思えるのかもしれません。

吉田:しかも、似た雰囲気の曲が他にないんですよね。アニソンの魅力は、流行に左右されず“良いかどうか”で上位に入ってくること。その結果、ランキングを見ても全然かぶりがなくて、すごく面白いなと思います。

結:個人的に嬉しかったのは、『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』の「銀河系まで飛んで行け!」が10位に入ったことです。作品では一小節分ぐらいしか流れないじゃないですか。にもかわらず、カラオケで挑戦しようと思う人がいるのは驚きですよね。普通なら絶対歌えないはずなのに(笑)。「この歌、キャンディーズなんだ!」と新しく知る世代も多いはずで、作品の強さを感じました。

吉田:それで言うと、エンドクレジットに「作曲:吉田拓郎」と出てくるのもインパクト大でした。まさか『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』で吉田拓郎の名前を見ることになるとは思わなかったです。

結:それと、アニソンタイアップがついて、ここからバンドがひと跳ねしたらいいな!と思っていた若手バンドの活躍も嬉しいですね。
今回惜しくもランク外とはなりましたが、おいしくるメロンパン、名誉伝説、yutoriといったバンドは、アニソンをきっかけにもっと大きく羽ばたいてほしいです。Jロックファンとしてもワクワクします。

吉田:アニメと音楽のハマり具合で言うと、『その着せ替え人形は恋をする』のエンディング「Kawaii Kaiwai」も印象的でした。中田ヤスタカさんのやりたいことが作品にうまく合っていましたよね。逆にオープニングのスピラ・スピカ「アオとキラメキ」は、すごく“THE 幹葉”という感じで、対比が面白かったです。

結:『その着せ替え人形は恋をする』のオープニングは1期からスピラ・スピカが担当しているので、作品にいい色がついていて、2期も引き続き担当してくれたのはファンとして本当に嬉しいです。

吉田:配信コンテンツの視聴者数ランキングでは、ジャンプ系作品の強さが際立っていましたね。1位の『ダンダダン』から5位の『Dr.STONE』まで、まさに無敵の存在感です。

結:たしかに、少年誌・青年誌系の作品が上位を占めていましたね。

吉田:一方で『タコピーの原罪』はテレビ放送がなく配信限定でしたが、それでも大きな話題になりました。このほか、『薫る花は凛と咲く』や『光が死んだ夏』といった作品がスマッシュヒット。さらにREGZAの視聴データを活用した「Anime Data Award」2025年夏アニメ新規作品部門では『水属性の魔法使い』が1位を獲得するなど、今回のランキング以外でも注目作が多いシーズンでしたね!

【編集部MEMO】
吉田尚記は、ニッポン放送のアナウンサー。
マンガ・アニメ・アイドル・デジタル分野に精通し、2008年創設の「マンガ大賞」の発起人・実行委員を務めるほか、年間100本規模のイベント司会や番組パーソナリティとして活動の幅を広げている。
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