米Microsoftは10月23日(現地時間)、Webブラウザ「Microsoft Edge」のAI機能「Copilot Mode in Edge」(以下:Copilot Mode)の機能強化を発表した。AIがユーザーの代わりに複数ステップの操作を実行する「Copilot Actions」と、過去のブラウジングセッションを自動的に整理する「Journeys」のプレビュー提供を米国で開始した。


Copilot Modeは、Edgeブラウザで対話型AIを用いてWebナビゲーションや検索を効率化する機能である。Copilotを利用できるすべての市場で提供されており、Windows版およびMac版のEdgeでaka.ms/copilot-modeにアクセスし、Copilotモードをオンにして利用を開始できる。

「Copilot Actions」は、AIへの自然な言葉による指示(音声またはチャット)で、ブラウザ上で複雑なタスクを自動実行させる機能である。たとえば、「受信トレイにあるショッピング関連のニュースレターをすべて購読解除して」といったメール管理や、レストランの予約、コンテンツの整形など、従来は手動で行っていた複数ステップの操作を自動化できる。

「Journeys」は、旅行の計画やリサーチなど、ユーザーが過去にEdgeで行った作業をAIが自動的にトピックごとに整理し、中断したところからシームレスに作業を再開できるようにする機能だ。何かにつまずいて中断していたとしても、作業の継続に役立つ次のステップをAIが提示する仕組みも備える。

加えて、Copilotが閲覧履歴にアクセスし、よりパーソナライズされた応答を生成する機能も追加された。この機能はオプトイン方式であり、ユーザーが設定画面から有効化し、いつでもオフにできる。許可を与えることで、「先週見ていた青いパーカーについて教えて」といった、過去の閲覧内容に基づく会話が可能となる。

現在、Webブラウザ市場では、ブラウザを単なる「閲覧ソフト」から「AIアシスタント」へと進化させる競争が激化している。Googleは「Chrome」にGeminiを統合し、Perplexityの「Comet」やOpenAIの「Atlas」などAI企業による新たなブラウザも登場している。この流れの中で、今回のEdgeの「Copilot Actions」のように、AIが情報提供だけでなくユーザーに代わって行動する「エージェント機能」が、AIブラウザ競争の次の焦点となりつつある。


Microsoftは、ブラウザをWindowsと並ぶAI戦略の中核と位置づけており、デスクトップ用Edgeに続いて、モバイル用のEdgeアプリにも近日中にCopilot Modeを提供する予定である。
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