藤木直人演じる藤堂の恋人役「“見守る”役割」「“ドライ”さが出るように意識」
本格的な芸能活動開始から、今年で20年目となる倉科カナ。2009年後期のNHK連続テレビ小説『ウェルかめ』でのヒロイン役で人気を集め、現在、ドラマ、映画、そして舞台と活躍を続け、主役に脇にと作品を輝かせている。現在は、父への復讐心を胸に、“史上初の女性棋士”への道を切り拓こうとする主人公・国見飛鳥役で、のんが主演を務めるABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』に出演中。
○ドラマ『MISS KING』の礼子を演じる上で意識したこと
――礼子さんは母性を感じさせる女性ですが、ただ温かく包むのではなく、ふたりのお尻を叩いて叱咤激励してくれるようなかっこよさがあります。強さと温かさが、倉科さんにピッタリだと感じました。
うれしい! 以前出演させていただいた映画『3月のライオン』(17)もそうですが、将棋を扱ったドラマはいろいろありますけど、こういった復讐物語は珍しいですし、飛鳥と(飛鳥の師匠となる元棋士の)藤堂成悟がそこから再生していくお話です。私、『3月のライオン』では神木隆之介くん演じる零くんを拾ってきましたが、今回はのんさん演じる飛鳥ちゃんを拾ってくるんです(笑)。礼子の役割をおおざっぱに説明すると、“見守る”役割になると思います。ただ、作品全体、特に前半戦はキャラクターの抱える背景や苦しさ、葛藤を色濃く描くので、どうしてもウェットになり気味。だから私はどちらかというと“ドライ”さが出るように意識しました。
――ドライさを意識。
はい。そしてふたりの光になるような温かい存在でもあれればと。
○「苦労の多い人生を歩んできた」倉科カナが感じた礼子との共通点
――礼子は藤木直人さん演じる藤堂の恋人です。飛鳥と出会う以前の礼子さん、藤堂と礼子さんがどう関係を育んできたのかは、劇中でははっきり分かりません。バックボーンはしっかり作られたのでしょうか。
そこまで深くは決めていませんが、監督と衣装合わせの時に、「結婚とかを考えているわけではないのだけれど、藤堂のことをすごく愛している。支えている人物です」と説明を受けました。そこから、自分に礼子を落とし込むというよりは、自分自身の中にあるものを利用して、礼子として出していきました。
――引っ張り出す作業はいかがでしたか?
比較的やりやすかったです。全体的に礼子とはすごく似ているんです。私自身、苦労の多い人生を歩んできましたし、家族を支えたり、妹たちのお尻を叩いたりしてきましたので。
――なおかつ支えるだけに終始せず、「自分自身の人生もちゃんと歩みますよ!」という軸を感じるところも、礼子と倉科さんで通じるのかもしれません。
たしかに! そういう部分が通じ合ったのかなと思います。
○藤木直人との共演で得た刺激
――主演ののんさんの印象を教えてください。
本当にかわいらしくて、イベントで藤木さんもおっしゃっていましたが、「本当に実在するんだ」と思ってしまうほど透明感がありました。復讐ものなのにどこか爽やかさを感じさせる作品になっているのは、やはりのんさんの持っている魅力ゆえだと思います。あと、のんさんは監督業もされていますし、常にモニターのすぐ近くにいて、モニター確認をしたり、監督と相談したりしていて、お芝居に対して貪欲なんだと感じました。いつもとってもかわいらしいのに、内側には燃えるような芝居への情熱があるんだなというギャップがまたステキでした。
――藤木さんの印象はいかがですか?
本当にスマートな印象でした。メイク中に隣でルービックキューブをやっていて、瞬時にそろえちゃうんです。説明書を書いて教えてくださったんですけど、それもすごく頭のいい人が作ったんだなという内容で、すごかったです。俳優さんとしては、藤木さんの出演作品は子どもの頃から見てきましたし、まさか自分がご一緒できるとは思っていませんでした。しかも私のヒモですからね(笑)。
――(笑)。
藤木さんは、お芝居をしていてもとても風通しがよくて、セッションしやすかったです。上下関係も気になさらないので、フランクに提案できるし、それからとにかく視野が広いんです。
――藤木さんは「視野が広い」とのことですが、藤木さんも倉科さんに関して「役者として気にかける部分が僕と似ている」「現場の空気作りを大切にされている印象」とコメントされていました。
そこは私も感じます。私も比較的視野が広いほうで、だからこそ藤木さんのことも分かるというか、同じところを見ているんだなと感じましたし、何かあるとそれを優しく伝えることのできる藤木さんを見ていて、「私もあんな先輩になりたいな」と思いました。
倉科カナの原動力「そこに私はすごく“ときめき”を感じていて…」
――藤木さんが、「似ている」とコメントされていたのはご存じですか?知りませんでした。でも聞いて納得です。
○倉科カナの原動力は?
――礼子さんは飛鳥と藤堂を見守る存在ですが、ふたりのパワーの原動力にもつながっています。倉科さん自身の原動力を挙げるなら?
なんだろう。家族もそうだし、にゃんこもそうですけど。やっぱりお芝居が好きで、その作品、その役柄に携われてよかったと思えたときがすごく幸せで、そういった経験を「またしたい!」と思うことが次への原動力になっている気がします。
――「悔しさ」が次への原動力につながることもありますか?
たしかにそれもちょこっとはあるかもしれません。「今度こそは」みたいな。でもそういったマイナスから発生する力よりは、幸せな感情から生まれる原動力のほうが大きいです。たとえばドラマや映画、舞台でも、その作品と最初に出会う脚本って、頭で読みますよね。それだと自分ひとりの中で完結している。
――そうですね。
でも、現場や稽古場に行くと、演出家さんの意図や共演者さんの投げてくるものが自分の想定外だったりする。そうしたとき、自分の役柄を背負いながら返していくと、脚本以上の新たなものが生まれるんです。頭で考えたものではなくて、心が動いたからこそ生まれたもの、心と心が触れ合った瞬間に生まれたもの。そこに私はすごく“ときめき”を感じていて、それを何度も経験してきたので、また味わいたいというか、また「わー!」と花が咲く瞬間に出会いたいと思うんです。
――お客さんに届いたとき、さらに新たな花が咲く感じでしょうか。
そうです。もう最高ですね。それはどんな花でもいい。そこに価値があると思うし、私の原動力になっています。
○倉科カナが語る『MISS KING』の見どころ
――ありがとうございます。最後に礼子さんを演じた倉科さん的、『MISS KING / ミス・キング』のおススメポイントを聞かせてください。
私としては、かっこよくて、ちょっとオトコマエな礼子も見てほしいですね。どこかやさぐれている飛鳥と藤堂が、礼子の言うことは聞くんですよ。
――彼らが立ち上がっていくのも、礼子さんがいたからこそですよね。
ふたりだけだったら、闇落ちしてるかもしれない(笑)。そこを礼子も礼子で葛藤しつつ、強く存在して、ふたりの感情を尊重しながら支えていく。彼らの物語はもちろんですが、そうした礼子の姿もちょっとしたポイントなので、ぜひ注目していただけたら嬉しいです。
■プロフィール
倉科カナ
1987年12月23日生まれ、熊本県出身。2009年にNHK連続テレビ小説『ウェルかめ』にてヒロインを務め、一躍脚光を浴びる。以降、ドラマ、映画、舞台と活躍。2022年には第29回読売演劇大賞女優賞を受賞した。主な出演作にドラマ『正直不動産』(NHK)シリーズ、映画『3月のライオン』前後編(17)、『あいあい傘』(18)、『三日月とネコ』(24)など。現在はドラマ『コーチ』(テレ東)が放送中。2026年にはドラマ『浮浪雲』(NHKBS)の放送と舞台『プレゼント・ラフター』への出演を控えている。











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