NTT西日本 沖縄支店では10月27日から11月3日にかけて、沖縄県立図書館にてロボット×AIを活用した「ぴたりえチャット」「ぴたりえクイズ」を展示した。関係者は「子どもたちが本に親しむきっかけになれば」と期待を寄せる。


○「ぴたりえチャット」とは?

NTT西日本では、AIロボットが子どもたちの“学びのパートナー”になる未来を思い描いている。「ぴたりえチャット」は、読んだ本の感想についてロボットのSOTA(ソータ)と話し合えるシステム。現在、200冊あまりの絵本・児童書が対応している。

来館した子どもたちが、SOTAとの会話を楽しんだ。たとえばSOTAの「絵本のお話、どうでしたか?」「どこが面白かった?」という問いかけに、小さな女の子は「ぐりとぐらが、森で大きな卵を見つけたところ」と回答。これにSOTAも「うん、想像しただけでもワクワクするよね。どんな料理にしたのか、一緒に考えてみようか?」と相槌をうつ、といった具合だ。対話にはNTTが10月20日にリリースしたばかりの大規模言語モデル「tsuzumi 2」を活用しており、とてもスムーズな会話が成立していた。

また「ぴたりえクイズ」では、SOTAが絵本の内容に基づいたクイズを出題し、そこからインタラクティブなやり取りがはじまる。最後は、子どもが興味・関心を持ちそうな「ぴったりな一冊」を推薦する。

NTT西日本 沖縄支店 支店長の古堅(ふるげん)誠氏に話を聞いた。これまで神奈川県横浜市、静岡県磐田市などで先行的に行われてきた「ぴたりえチャット」「ぴたりえクイズ」による展示イベントだが、沖縄県で実施するのは今回が初めて。
沖縄県教育委員会から「県内の子どもたちの学力を上げていきたい」という相談を受けて実現したという。

「人は本を読むことで、読解力、理解力が身に付きます。そこで未就学児および小学生を対象にして、楽しく読書してもらう機会をつくれれば、という思いで企画しました。当社では、こうしたサービスを展開することで読書の推進、教育の発展に寄与したいと考えています。読書を通じて子どもたちの学力向上に貢献できるよう、今後も取り組みを進めてまいります」と古堅氏。

またNTT コミュニケーション科学基礎研究所の小林哲生氏は、開発の難しさについて「未就学児の発話は、まだうまく認識できないときがあります」と明かす。そこで研究所では、子ども向けに特化した音声認識技術の開発も進めている。

ちなみに会場には、子どもたちが絵本の内容にまつわるクイズを作り合うコーナーも設置した。投稿されたクイズは「ぴたりえクイズ」の中で出題される仕掛けだ。「どんなクイズを作ろうか」と考えることで、絵本の理解度が深まる。また「兄弟や友だちにクイズを解いて欲しい」と思うから、絵本を人に薦めるようになる。こうして読書習慣が広がることを期待している。


小林氏は「近い将来、子どもの学習パートナーとしてロボットが存在感を増していくことが考えられます。今回のようなイベントを通じてノウハウを蓄積し、ゆくゆくは全国のお子さんにサービスを届けていけたら。今後、対応する絵本・児童書の数も増やしていきます」と話していた。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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