ビザ・ワールドワイド・ジャパンは11月6日、アジア太平洋地域5か国の大企業・中規模企業における経費管理システム(EMS)と法人カードの活用状況や導入効果をまとめたレポート「アジア太平洋地域における経費管理ソリューションと法人カードで戦略的価値を創出」の日本語版を公開した。調査は2024年10月~12月、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピンの大企業・中規模企業503社を対象に行われた。

○企業のEMSの活用状況と重要度

EMSに求められる機能として重視されているのは、経費の追跡・レポート機能や、既存の会計・財務システムとの連携が挙げられる。特に大企業ではシステム統合へのニーズが91%と高いが、中規模企業では65%で、今後の導入拡大が期待されている。

EMSの導入による効果は経理面だけでなく、業務、人事、財務面にも広がっている。調査対象企業の92%が、EMS導入によって業務効率化や人事・財務プロセスの改善を実感している。

EMSを通じた従業員立替精算の効率化を希望している企業も国ごとに異なるものの79%~91%と高く、デジタルツールについても、従業員向けモバイルEMSアプリは全調査対象企業の52%が、管理用オンラインポータルは76%が高く評価していることがわかっている。

不正検知とコンプライアンス機能は全調査対象企業で最も重視されている。EMSの導入により、従業員によるカードの不正使用や外部からの不正脅威対策に役立つ。
○EMSの導入効果

EMS導入企業では、精算処理速度が平均12日間短縮され、経費レポート1件当たり平均4米ドルの処理コスト削減を実現している。業務効率化により年間で、財務担当者1人当たり平均28,000米ドル、企業全体では75,000米ドルのコスト削減効果が報告されており、EMSプラットフォームの平均的なサブスクリプション費用に対して約16倍の投資対効果(ROI)を実現している。
○EMSの改善領域

導入企業がEMSプラットフォームの導入効果を高く評価していることを示している一方、より優れたレポート・洞察機能、コンプライアンス・不正管理の強化、ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上など、EMSプラットフォームへのさらなる期待が寄せられている。
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