確定拠出年金教育協会はこのほど、中小企業向け企業型DC普及助成「DCグッドスタート認定制度」の創設を発表した。

老後の資金に対する安心感は、現在の生活の安定や仕事への意欲向上に欠かせないものであり、確定拠出年金制度(DC)は、公的年金に上乗せする年金を準備する制度として非常に重要な位置づけにある。


しかし、規模の小さな企業ではDC制度の導入が十分に進んでいるとはいえず、導入後の制度運営も継続的な教育が実施されないなど加入者本位となっていない割合が高いという現状がある。小規模な企業こそ、経験豊富な専門家のアドバイスとサポートを活用することで、DCの導入・健全な制度運営の実現性が高まる。同協会はこうした課題を踏まえ、小規模企業における企業年金制度の健全な普及に向けて、助成事業を実施する。同事業は、金融包摂を目的としたキャピタルインターナショナルの寄付により実現した。

小規模企業の企業年金導入を支援


本制度は、小規模事業主の企業年金制度導入を支援することを目的としている。専門家にアドバイスが受けられる運営体制のもと、適切な手順と運営体制を整えた上でDC制度を導入された企業を「DCグッドスタート企業」として認定する。なお、専門家とは、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー/金融商品仲介業者)、DCプランナー、DCアドバイザー、企業年金管理士、社会保険労務士、CFP(ファイナンシャルプランナー)など、企業型DCや投資信託を活用した資産形成に詳しく、投資教育の経験豊富な人を指す。
○認定企業が得られるメリット

適切な運営体制のもと企業型DCが導入されていることを、採用時など社内外に告知できる認定ロゴを取得できる。さらに、助成金(20万円)によって導入時の費用負担が軽減できる。助成金の交付は年度の上限に達すると終了となるが、交付終了後も企業の認定は継続される。

また、導入後も健全な制度運営を行うには一定の専門知識が求められるが、専門家にサポートしてもらえる体制で導入をすることで、加入者本位の制度運営を実現しやすくなる。
○助成金の内容と応募要件

認定企業を対象に、1社20万円の助成金を交付し、従業員の老後資産形成をバックアップする小規模事業主を応援する。
助成金の交付は年度の上限に達すると終了となるが、交付終了後も企業の認定は継続される。

応募期間は2026年1月5日~2月20日まで。対象は従業員数10名以上100名未満の企業で、正社員全員が加入し、会社が掛金を全員に拠出する制度設計であることが条件となる。導入時期は2025年2月~2026年1月(規約承認日ベース)まで。応募は応募フォームから受け付けている。
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