2025年10月、日経平均株価がついに5万円の大台を突破しました。
AI関連銘柄を中心に企業業績が好調で、海外投資家の買いも追い風となり、国内株式市場は節目の水準を超える展開となっています。

一方で、急伸後の反動から一時的に調整局面を迎えるとの見方もありますが、川上さんは「長期的には企業業績の拡大が続き、上昇基調は崩れていない」と分析します。

こうした中、NISA(少額投資非課税制度)を活用する個人投資家の間では、人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」を大きく上回る成績を上げた国内株式ファンドが注目されています。

今回は、SBI証券投資情報部のシニア・ファンドアナリスト・川上雅人さんに、オルカンを10%以上上回った好成績の国内株式ファンドを紹介してもらいます。

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日経平均 5万円達成! 好成績の国内株式ファンドは?

10月27日、日経平均株価(以下、日経平均)の終値が初の5万円の節目を突破しました。日経平均は昨年2月にバブル期以来、約34年ぶりに最高値を更新し、2024年3月4日に4万円の大台をつけました。そこから乱高下がありながらも約1年7か月間で1万円の上昇を記録したことになります(図表1)。特に2025年10月(27日迄)は月間で日経平均が5,580円上昇し、上昇率でみると+12.4%という急上昇を記録したことが、早期の5万円達成となりました。

急上昇の背景と今後の見通し

2025年度の日経平均は、旺盛な自社株買いに加えて、海外投資家による日本株買いが下支えとなって4月中旬からの上昇が継続しました。世界的な人工知能(AI)関連投資の拡大に伴うAI関連銘柄の好決算を受けて、特に日経平均の寄与度が大きい半導体関連企業のアドバンテストや半導体関連企業へ投資するソフトバンクグループの大幅上昇が牽引しました。

日経平均が一本調子で上昇を続けた後は、ある程度の調整局面に入るという見方が一般的です。しかし、長期でみればインフレ定着などによる企業業績の拡大によって、今後も国内株式市場の上昇基調が続くことが期待されます。

足元の日経平均の上昇要因と今後の見通しの詳細については、「日経平均は5万円超えから「新章」スタートに?」をご参照ください。
(URLは記事末尾に記載)

こうした環境下から、今回は好成績の国内株式ファンドに着目します。10月の日経平均急上昇前の9月末基準での1年リターンにおいて、NISAでの人気ファンドであるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を10%上回る好成績ファンド(SBI証券ネット取扱い)を一覧にしたのが図表2となります。個性的なアクティブファンド(※)が並びました。それぞれのファンドについてコメントします。

※アクティブファンド 運用者が銘柄を選んで積極的に売買し、平均を上回る成果を目指すタイプの投信。

長期視点で注目のNISAで買える国内株ファンド8選
8位 21世紀東京 日本株式ファンド(愛称:成長への道)

事業内容、成長性、収益性、財務健全性などを勘案して銘柄を厳選し、業種配分、バリュエーションなどを考慮してポートフォリオを構築しているファンドです。組入上位銘柄は三菱重工業、アドバンテスト、鹿島建設、ソニーグループ、関電工などとなっており、組入銘柄数は26銘柄です(※)。組入銘柄における投資の切り口は防衛、半導体、設備投資などです。3年、5年リターンでもバランス良く好成績で、値動きのブレの大きさを表す標準偏差も相対的に小さいファンドです。

7位 ファンド“メガ・テック”

今後の高い成長が期待できる産業を選定し、その産業の中から特に優れたテクノロジー(技術力)を有し、競争優位を保持できる企業に投資するファンドです。組入上位銘柄はソニーグループ、日立製作所、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、三菱重工業などとなっており、組入銘柄数は59銘柄です(※)。
6位 キャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)

キャッシュフロー・バリュエーションモデルによる割安度評価と、アナリスト業績予想による業績モメンタム評価に基づく銘柄選択を行うファンドです。
組入上位銘柄はソフトバンクグループ、三井住友フィナンシャルグループ、ソニーグループ、三菱電機、丸紅などとなっており、組入銘柄数は60銘柄です(※)。国内株式ファンドの中で5年リターンはトップクラスの実績で、標準偏差も相対的に小さくなっており、運用効率に優れたファンドです。
5位 マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

対象企業に対して目的を持ったエンゲージメント(対話)や提案を行い、企業価値と株主価値の中長期的な向上を目指すファンド、投資先企業に経営改善などの提案を行い、企業価値を高めることを目的とした、いわゆるアクティビスト・ファンドです。組入上位銘柄はTBSホールディングス、東宝、IHI、しまむら、大日本印刷などとなっており、組入銘柄数については開示はありません(※)。3年、5年リターンも良好で、標準偏差が取り上げたファンドの中で最も小さくなっており、運用効率に優れたファンドといえます。
4位 情報エレクトロニクスファンド

電気機器、精密機器などエレクトロニクスに関連する企業群や情報ソフトサービス、通信など情報通信に関連する企業群の株式を主要投資対象としているファンドです。組入上位銘柄はソフトバンクグループ、フジクラ、古河電気工業、ソニーグループ、東京エレクトロンなどとなっており、組入銘柄数は43銘柄です(※)。特定業種の成長株中心のポートフォリオのため標準偏差は大きいファンドですが、3年、5年リターンでもバランス良く好成績です。
3位 ソフトバンク&SBIグループ株式ファンド

ソフトバンクグループ、SBIホールディングス及びそれらのグループ関連企業の株式に投資しているファンドです。組入上位銘柄は、ソフトバンクグループ、SBIホールディングス、ソフトバンク、LINEヤフー、ZOZOなどとなっており、組入銘柄数は17銘柄です(※)。直近急上昇しているソフトバンクグループの組入比率が約29%となっています。
2位 カレラ 日本小型株式ファンド

日本の小型株式に投資し、事業内容、成長性、収益性、財務健全性などを勘案して銘柄を厳選しているファンドです。
組入上位銘柄はダイハツインフィニアース、中国塗料、中北製作所、寺崎電気産業、東京計器などとなっており、組入銘柄数は30銘柄です(※)。造船、防衛、半導体といった成長シナリオに着目した小型株の組入れが特徴で、直近の組入銘柄はややテーマに偏りがありますが、3年、5年リターンでもバランス良く好成績です。
1位 厳選ジャパン

優れた経営者の質・ビジョン、新しいビジネスモデル等により企業価値の増大が期待できる企業の中から、20銘柄程度に厳選して投資しているファンドです。組入上位銘柄はイビデン、IHI、日本電気、フジクラ、富士電機などとなっており、組入銘柄数は22銘柄です(※)。22銘柄への集中投資のため値動きの振れ幅を示す標準偏差(5年)はやや大きく、5年リターンは苦戦していますが、国内株式ファンドの中で1年リターンはトップクラスの実績です。

上記8ファンドは、独自の銘柄設定により1年リターンでオルカンを11%以上も上回り、さらには日経平均インデックスファンドを13%以上も上回る実績となっています。好環境が期待される国内株式市場においては、国内株式のインデックスファンドだけでなく、これらの好成績ファンドにも注目すべきと考えます。

(※)ポートフォリオの情報は2025年9月末基準(5位のファンドのみ2025年6月末基準)。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

掲載されたファンドの情報はこちら

『投資情報メディア』より、記事内容を一部変更して転載。

川上雅人 かわかみまさと SBI証券 投資情報部 シニア・ファンドアナリスト(公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト) 慶應義塾大学卒業。丸三証券で国内株アナリスト、国内大手運用会社で18年間、商品企画・営業などを担当後、2020年よりauカブコム証券でファンドアナリストとして活動。
2022年11月から現職。最新の投資情報を発信する『投資情報メディア』のレポート・コラムなどで投資信託や資産運用(新NISAなど)に関する情報提供を行う。 この著者の記事一覧はこちら
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