埼玉県・戸田市教育委員会はインテル、ダイワボウ情報システムと連携し、戸田市立戸田中学校にて、高性能PCや高速インターネット環境などを整備した「STEAM CAMPUS」を開設した。
学校全体において「STEAM教育」環境を整え、最新のデジタル環境で総合学習や協働学習、教科学習を行える場として活用する。
学校全体を実験フィールドに、国内初の「STEAM CAMPUS」誕生
STEAMとは、「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「芸術(Arts)」「数学(Mathematics)」の5つの頭文字を組み合わせた教育概念。実社会における課題解決を通して、新しい価値を創造できる人材育成を目指す教科等横断的な教育を指す。
インテルはこれまでも、日本国内向けのデジタル人材育成に取り組んできた。学生向けのSTEAM教育促進、国内の小中高、社会人におけるデジタル人材育成施策「インテル・デジタルラボ」、自治体と協業したDX研修の実施などだ。
特に、子どもたちの創造性を引き出す学びの取り組みであるインテルの「STEAM Lab」は、PCメーカーやソフトウェアメーカーなどと協力し、個人の学習用PCでは難しい高度な3Dプリンティングや複雑なデータ分析などが学校内で行える環境を整えるもの。2022年4月から、埼玉県戸田市を皮切りに、全国18の協力校と実証実験を進めてきた。
今回、戸田中学校では、特別教室(メディアルーム、理科室、木工室、音楽室、美術室)を利用し、最新テクノロジーを各教科の学習で活用する「STEAM CAMPUS」を先行的な“実証研究”として設置した。国内初の試みとなる。
「STEAM CAMPUS」はSTEAM Labの進化系ともいえるもので、従来1つの部屋のみにとどまっていた先進的なデジタル環境を、「Core Lab」をハブとして、「Science Lab」、「TEch Lab」、「Art Lab」、「Music Lab」の5つの教室に拡大。理科室、木工室、美術室、音楽室といった環境整備が進んでいなかった特別教室にSTEAM教育環境を導入した。
各教室には学習内容に応じた機器や環境を整備し、学校全体にSTEAM教育環境を広げ、一体的な学習空間「STEAM CAMPUS」を構築することで、子どもの専門的な実習や創作活動を支える。
○戸田市立戸田中学校の「STEAM CAMPUS」支援概要
Core Lab(次世代メディアルーム)……
デスクトップPC・モニター×13式、電子黒板×1台、動画撮影・配信環境×1式(カメラ、三脚、クロマキー、スイッチャー)、画像動画編集・制作用クリエイティブツール
Science Lab(次世代理科室)……
ノートPC×2台、デジタル顕微鏡×2台、データロガー×9台
Art Lab(次世代美術室)……
ノートPC×2台、3Dプリンター×1台、液晶ペンタブレット×2台
TEch Lab(次世代木工室)……
ノートPC×2台、3Dプリンター×1台
Music Lab(次世代音楽室)……
ノートPC×2台、DTM環境×2式、DAWソフト(Cubase AI)、マイク、ヘッドホン、MIDIキーボード
「STEAM CAMPUS」の研究成果は今後発表。全国展開も視野
今回の取り組みにおいて、インテルは「STEAM CAMPUS」活用のためのSTEAM教育向け授業フレームワークや、高性能PCなどの先端技術に関する知見を提供。
ダイワボウ情報システムは「STEAM CAMPUS」の導入支援、および米Intelのデジタル人材育成プログラム「Skills for Innovation(SFI)」を基にした教員研修プログラムの提供を担っている。
「STEAM CAMPUS」を効果的な取り組みにするためには、教職員のスキルアップも欠かせない。開設準備が始まった段階から、戸田中学校の教職員は動画制作や3Dプリンター活用といった4つの専門チームを組み、SFIを基にした研修を継続している。
SFIはインテルが提供する英語版のものを、ダイワボウ情報システムが日本語化し、授業設計や戸田中学校のSTEAM CAMPUSに適するようローカライズして導入。次期学習指導要領が目指す、情報活用能力を基盤とした教科横断的な学びの実現を、教員研修の側面から支援する。
なお、今回の取り組みにともない、インテルとダイワボウ情報システム、そして戸田市教育委員会は、先進的なSTEAM教育のあり方を先行的に実証することを目的とした連携協定を締結している。戸田中学校の「STEAM CAMPUS」は実証研究という位置付け上、機材等は無償提供されており、3年後をめどに、実証研究成果の発表を予定する。
今後は既存のSTEAM Labのアップデートや新規開設も視野に、全国的に「STEAM CAMPUS」の取り組みを広げていきたい考えだ。
日本のSTEAM教育の方向性を示す“羅針盤”に
「STEAM CAMPUS」の開設記念式で挨拶したインテル日本法人の大野誠代表取締役社長は、戸田市から始まった“国内第1号”のSTEAM Labに触れ、当時子どもたちがデスクトップPCを使い動画編集をしている様子を微笑ましく見学していたと振り返った。
そして今回STEAM Labが進化し、学校全体でSTEAM教育環境を整える「STEAM CAMPUS」へ発展したとコメント。「非常に意義がある内容で、インテルとしてはSkills for Innovationの提供などできることがある。STEAM CAMPUSが1つの羅針盤となって、日本のSTEAM界の方向性を示すような場になってくれるとうれしい」と話した。
ダイワボウ情報システム 代表取締役社長の松本裕之氏は、IT市場に必要な人材が「全然足りていない」と課題を示し、IT人材の育成がこれからの日本の礎になると強調。産・官・学が一体になって「STEAM CAMPUS」を開設することに“ドキドキしている”と話した。また、初期のSTEAM支援の経験から、納入後も研修・現場サポートに継続して取り組むとした。
ダイワボウ情報システムでは「STEAM CAMPUS」をプラットフォームとして扱い、SFIによる活用支援、全国のパートナーと展開する普及支援をセットで推進していくという。
戸田市教育委員会の戸ヶ崎勤教育長は、学習指導要領の「社会に開かれた教育課程」をはじめ、教科を横断する学び、実社会との関連付けを意識した学習などについて、質の高い学びを展開することに課題感があると背景を説明。学校に“ワクワク感”を持ってもらうには最先端のものに触れることが大事だとし、子どもの知的好奇心を引き出す学びを、改めて大事にしていきたいとコメントした。











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