ファーウェイ・ジャパンは11月18日、「ハイエンド新製品発表会」を開催。同社のスマートウォッチの中でもハイエンドシリーズの最新作「HUAWEI WATCH Ultimate 2」を発売した。


Ultimate(アルティメット) 2はブルーとブラックの2色展開。ブルーは表面に立体織物加工を施したブルー+ホワイトのフルオロエラストマーベルトと、ビジネスシーンに最適なチタニウムベルト付き。

ブラックは新たな中空構造のフルオロエラストマーベルトで通気性抜群だ。いずれもダイビング用のエクステンションベルトが付属する。

深度150mに対応、究極を追求するUltimate 2

初代のUltimateは水深100mのダイビングに対応したことが話題になったが、Ultimate 2では水深150mまで対応。

そのため八角形のウォッチケースはジルコニウムをベースとしたリキッドメタルで、ベゼルはナノセラミック。それらを超硬質コーティングすることで、初代Ultimateの3倍の強度を持たせた。

ディスプレイには傷が付きにくいサファイアガラスを採用。最大輝度は3,500nitsとファーウェイ史上最高で、眩しい太陽の下でも画面が鮮やかにくっきりと表示される。

今回、初めて水圧感知式自動防水構造を搭載した。その中には三層防水フィルム構造を備え、約30mの深度から自動的に圧力を感知。水面から深海まで20の保護構造を用意し、自動で防水構造を強化する。
主要パーツには海水による腐食を防ぐコーティングを施した。

その実力を示したのが、深度150mの水圧を再現した、1.5MPa(メガパスカル)の耐圧試験だ。実験室で徐々に圧力をかけられたガラス製の蓋付き容器は35mの深度で割れ、ステンレスボトルは75mでくぼみ、水中カメラのハウジングは100mの深度で粉々になった。

「耐圧試験のシミュレーションで150mの水圧に耐えられたのはUltimate 2のみでした。その結果、Ultimate 2は150mのダイビングに対応するダイビングウォッチに進化しました」と、発表会に登壇したプロダクトマネージャーの橋野翼氏。

さらにスマートウォッチの歴史を塗り替える史上初の新機能として紹介されたのが、ウォッチ単体でのソナーを使用した水中通信だ。水中で音波を送受信できるミニソナーシステムを開発。Ultimate 2に搭載したことで、事前にペアリングした最大50人の仲間と水中コミュニケーションができる。

デフォルトで設定されたテキストや絵文字を、リューズを操作することで、水中で30m以内にいる仲間に送ることができる。緊急時には左上のボタンを3秒間以上長押しすることでSOSを送信可能。SOSは30m以内にいる仲間を介して、さらに30m先まで届くので、最大60m離れた仲間にまで届けることができる。テキストや絵文字、SOSはいずれも5秒間隔で5回、ウォッチに通知される。


Ultimate 2は減圧アルゴリズムとダイビングガイド機能を備えたダイビングコンピュータにもなることから、9月に鹿児島で実施されたフリーダイビングの国際大会である「ボルケーノカップ 2025」の大会公式ウォッチとして採用された。
いち早く利用したプロたちが語る魅力

発表会には「ボルケーノカップ」で実際にUltimate 2を使用したフリーダイビング選手の原 哲雄氏と、SNSフォロワー総数約22万人を誇る海系インフルエンサーのSUMIRE(すみれ)氏がゲストとして登場。トークセッションを行った。

フリーダイビングで113mという現役日本男子・最深記録保持者である原氏は、まずフリーダイビングの競技について説明した。「フリーダイビングはひと息の限られた酸素だけで100m近くまで潜ります。その水深では11気圧で通常の11倍の圧力がかかります。ちょっとした失敗も許されない死と隣り合わせの世界なので、その日の自分のコンディションをしっかり見極めることが非常に重要になります」

そのため、自身のダイブをデータで見える化でき、緻密なデータ分析ができるのが重要とのこと。「フリーフォールに入るタイミングとボトムに到達するタイミングが重要で、Ultimate 2でデータを正確に計測して分析することで、パフォーマンス向上に役立てています。Ultimate 2では水深150mまで対応したので、世界トップレベルのフリーダイバーが挑む深度でも対応できます。私は初代のUltimateから使用していますが、この性能の進化が非常に魅力的だと思いました」

一方、SUMIRE氏はソナーでの水中通信機能に驚いたと言う。「ダイビング中に亀を見つけたので、来てというメッセージを送信しました。友だちと一緒に潜ることが多いので、コミュニケーションを取り合いながらダイビングができるようになって楽しみが広がりました。
スキューバダイビングの醍醐味は、心置きなく海の景色を楽しめること。それを一緒に潜っている誰かと共有できるのは素晴らしい体験です」

緊急時にはSOS通信もできるので、原氏は大会中に万が一トラブルが起こった時にもいち早く安全確保ができる点も評価した。

トークセッション後には、アクションカメラ「Insta360」とのコラボについても発表された。Bluetooth接続することで、Ultimate 2からInsta360のカメラの起動が可能。また、ムービーを撮りながらUltimate 2でワークアウトモードを起動することで、撮影後の編集作業時に、水深などのウォッチ測定データを追加して、より臨場感のあるムービーに仕上げることができるようになる。

多彩なアクティビティで利用できる機能を搭載

Ultimate 2はダイビングだけでなく、登山やトレランなどのシーンでも活躍。ウォッチのメタルケースそのものを強力な信号ブースターへと変えた画期的なアンテナシステムによって、安定したeSIM通信ができるようになった。またAIノイズリダクションの搭載で、屋外の風や騒音の中でもクリアな通話ができる。

ルート精度が前モデルに比べて40%向上したことで、複雑な野外環境でも精密な位置測定が可能になった。高所では新しい「X-TAP」により、指先だけでリアルタイム血中酸素測定を行い、自らの体調を把握することもできる。

X-TAPはECG電極、PPG測定、圧力センサーをひとつに融合したマルチセンシング技術。背面に加え、サイドにも配置されたセンシングモジュールが、進化したヘルスケア統合システム「HUAWEI TruSense」と連携し、健康状態をモニタリングしてくれる。
なおバッテリーの持続時間は通常使用で約4.5日間(Androidスマホペアリング時)または約3.5日間(iPhoneペアリング時)。節電モードでは約6日間(標準使用)となる。

ファーウェイでは5月に、新たな取り組みを発表。「Enjoy Your Moment」というコンセプトの下、現在18の国と地域で約1000のイベントを開催し、60万人以上が参加している。
10月にはローマのハーフマラソン、11月にはドバイのサイクリングやサンパウロのシティーサイクリング、そして12月14日には日本で開催される「第14回 富士山マラソン」にも協賛。ファーウェイのブースを出展し、最新のウェアラブル製品を体験できる。

HUAWEI WATCH Ultimate 2の主な仕様

サイズ:ブルー約幅47.8×高さ47.8×厚み12.9mm、ブラック約幅48.5×高さ48.5×厚み12.9mm
重さ:約80.5g(ベルト含まず)
ディスプレイ:約1.5インチ/466×466ピクセル LTPO 2.0 AMOLED/最大輝度3500nits
測位方法:デュアルバンドGNSS(L1:GPS+GLONASS+GALILEO+BeiDou+QZSS/L5:GPS+GALILEO+BeiDou+QZSS)
防水機能:20ATM+IP68+IP69/ダイビング対応(最大150mの耐水性能)
稼働時間:通常使用約4.5日間(Androidスマホペアリング時)、通常使用約3.5日間(iPhoneペアリング時)/節電モード約6日間(標準使用)/ダイビング約12時間(ソナー式水中通信有効時)

綿谷禎子 わたたにさちこ 情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手がける。 この著者の記事一覧はこちら
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