ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』(毎週月曜20:00~)第8話が、17日に配信された。

※以下、第8話ネタバレあり

○7歳の飛鳥に抱いた嫉妬と恐怖

いよいよ、飛鳥(のん)と彰一(中村獅童)が最後の対局を迎える直前。
飛鳥のもとに香(山口紗弥加)が訪れ、彰一の自伝から削除された一部の原稿を手渡す。そこにつづられていたのは、彰一がかつて娘の飛鳥と妻の桂子(奥貫薫)をどれほど深く愛していたのか、そして彰一が家を出た本当の理由だった。

彰一は「幸せを感じる一方、2人がいなければもっと将棋に打ち込めるのでは、勝てないのはこの2人のせいではないか」という邪な考えに悩んでいたという。さらに、当時7歳の飛鳥が自分を凌駕する天才であることを確信し、そのことを喜ぶどころか嫉妬や恐怖の感情を抱いていたことも明らかになった。

原稿を読んだ礼子(倉科カナ)は、飛鳥と彰一がなんとか和解できないかと藤堂(藤木直人)に相談。藤堂は飛鳥のもとを訪れ、「これ読んでどう思ったの?」と問いかける。飛鳥が「藤堂さんは?」と聞き返すと、藤堂は「俺も将棋に呪われた人間としてこいつの気持ちが理解できてしまった。俺に家族はいないけど、もしいたら同じ選択をしていたのかもしれない」と打ち明けた。
○「あいつぶっ倒して私もう将棋やめます!」

また、香から「あなたたちは愛されていた。私とはちがう。だから憎む必要なんてない。復讐も意味がない。
もう終わらせましょう、こんなこと。私たちから彰一さんを奪わないで」と言われた飛鳥は、苦しそうに「桂子と飛鳥、もっとも愛する2人……お母さんはそれ読んでいたらどう思ったかな? 私はその言葉を読んで、くっそむかつきました!」と吐露。

さらに、「私とお母さんの人生を奪っておいて、今さら何勝手なこと言ってんだよ。自分に酔ってるだけのスーパーくそ自分主義野郎です!」と感情を爆発させ、「藤堂さん、これは親子げんかなんだよ。だから他人とか関係ない。日本中があいつを認めても私は絶対認めない。お母さんと私を苦しめたあの男を全力で否定してやる」「棋士になんてならない! あいつぶっ倒して私もう将棋やめます!」と宣言。

これを聞いた藤堂は、「飛鳥、大丈夫だ。お前は強い。親父を殴りに行くぞ」と励ました。
○事史上初の女性棋士が誕生

失われた過去と真実を知った飛鳥は、複雑な思いを抱えながらも、運命の対局「将棋編入試験 五番勝負 最終局」で彰一と対局。まるで親子の殴り合いのような激闘の末、飛鳥が勝利を収め、見事史上初の女性棋士が誕生する。


彰一はうれしそうに「強くなったな、飛鳥」と涙を浮かべながら声をかけ、飛鳥の目からも涙が流れ落ちる。さらに、その後の記者会見で飛鳥は、「将棋ってほんとうに面倒くさい! だから私、もうやめます!」と宣言し、報道陣を驚かせた。

それから2年後。礼子の店で働く藤堂の姿があり、2人のもとには子どもが誕生していた。一方、彰一は息子・龍也を「久しぶりに指すか」と誘い、親子で仲睦まじく将棋を楽しんでいる。

その頃、香は「どこに行っているのよ……」とつぶやきながら、飛鳥の帰りを待ち続けていた。果たして、飛鳥はいったい今どこで、何をしているのか。

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【編集部MEMO】
天才棋⼠の⽗のもとに⽣まれた⾶⿃(のん)。⺟と3⼈、仲睦まじい幼少期を送っていたが、ある時⽗は2⼈を捨てて出ていってしまう。⺟と貧しい⽣活を送る⾶⿃だったが、やがて⺟も病で他界し、⾶⿃は孤独の⾝となる。⼀⽅、⾶⿃を⾒捨てた⽗は将棋界で成功を収め、脚光を浴びていた。その姿に殺意が芽⽣えた⾶⿃は、復讐⼼に突き動かされ、ある出来事をきっかけに将棋の世界へと⾜を踏み⼊れる。
そして「史上初の⼥性棋⼠」を⽬指すことになる。これは、憎しみに囚われるひとりの⼥性が、将棋を通じて⼈⽣を取り戻していく物語。
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