女性活躍推進がスタートして10年。多くの企業が、結婚・出産・育児といったライフイベントにかかわる課題に取り組んできた一方で、「PMS(月経前症候群)」や「月経」といった女性特有の健康課題に対する職場の理解は、いまだ進んでいない実態が。


そんな中、広島市は、マイナビ運営による全3回の「企業の女性活躍推進におけるヒントが得られる無料セミナー」を開催した。第1回目となる11月20日、企業の人事担当者などを対象とした『生理痛体験研修』が行われた。

同セミナーは、企業の人事担当者などに生理痛の疑似体験を通して女性特有の健康課題に関する理解を深め、職場環境について考える機会を提供するもの。当日は、広島市「KPガーデンシティPREMIUM」を会場に、県内企業の人事担当者を中心とした16人が参加した。

セミナー前半は、サニーすまいるアシストの鈴木淳子講師による「女性活躍推進法」「女性の健康上の特性」「月経」などに関する解説に耳を傾け、女性ホルモンが女性のキャリアに与える影響について学んだ。

後半では、生理痛VR体験デバイス「ピリオノイド」を装着し「生理痛の疑似体験」を実施。ピリオノイドは、腹部に電極パッドを貼り付け、生理痛に近い電気刺激を与えることで、子宮が絞り込まれるような痛みを再現することができる装置だ。

初めて体験する痛みに「いたたた!」「痛い痛い!」と、思わず声をあげてしまう男性参加者。この状況で仕事をするのは「しんどい」「休みたい」とコメントする人も。

一方、女性参加者は「全然大丈夫です」と余裕の笑顔。しかし、人によってはこの痛みが3~4日続いたり、立っていられないほど痛みを伴うことも。また、今月は軽かったけど次月はひどかったりと、痛みの程度も症状もさまざまだ。
生理痛がどんな痛みなのかを男性に知ってもらった上で、生理痛がパフォーマンスに与える影響や不調を抱える女性の現状や職場の改善案などについて、グループワークが実施された。

マイナビ メディカル事業部の大城戸菜月さんは、「相手の背景を考えられるような職場が広がっていくといいかな、と思っております」とコメント。なお、2回目以降のセミナーは、女性の管理職登用と、育児や介護との両立をテーマに開催されるという。
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