クックパッドはこのほど、「食トレンド大賞2025・食トレンド予測2026」発表会において、クックパッド食トレンド大賞2025「今年の顔」を発表・表彰した。

○「今年の顔」を新設、4名が受賞

同社が毎年開催する食トレンド大賞・食トレンド予測は、家庭料理の楽しさや食の多様性を広く世の中に広めるために開催するもので、レシピサービス「クックパッド」の検索キーワードやアクセス動向、ニュースメディア「クックパッドニュース」などのデータを元に選出している。


今年は新たな取り組みとして、家庭料理における新しい食文化の醸成に大きく貢献した人を表彰する、今年の顔を新設した。記念すべき第1回目の受賞者は、薬膳スープ春雨専門店「七宝麻辣湯」創業者の石神秀幸さん、料理家・管理栄養士の長谷川あかりさん、料理クリエイターのりよ子さん、クックパッドのレシピ作者の中から特別賞としてクックパッドアンバサダーのよっちさんを含めた4名となった。

麻辣湯を作ってみたいという「好奇心」、料理のある暮らしという「体験価値」、せいろで得られる「癒し」、かさまし料理がもたらす「家族の笑顔」といった新しい味覚、新しい暮らし方、新しい調理法、新しい節約術を日本の家庭に根付かせ、料理を単なる作業や課題解決の手段ではなく、「楽しみ」へと転換させていることが選出の理由となった。4名に共通する特徴として、一過性ではない持続的な食文化の変革に貢献していること、時短・効率などの課題解決型ではなく、癒しや体験、家族の笑顔といった情緒的な豊かさを提案する姿勢であること、SNSやメディアを通じて広がりながら、実際の家庭の食卓に確実に浸透していることが挙げられる。
○19年かけて麻辣湯を若者トレンドから生活者トレンドへ

石神秀幸氏は、2007年1月に薬膳スープ春雨専門店の七宝麻辣湯1号店を創業。今年の食トレンド大賞2位「麻辣湯」の火付け役として、花椒の「痺れ」という新しい味覚を提供し、若者だけでなく生活者全体のトレンドへと広げた。通販商品「おうちでチーパオ」の開発では、外食体験を家庭で再現できる仕組みを構築し、日本の家庭にスパイス文化が広がるきっかけを作った。食材の多様性とスパイスの掛け算による新しい食文化を提案し続けている。

○料理からではなく、暮らしの中での料理の位置付けを提案

料理家・管理栄養士の長谷川あかりさんは、SNSでのレシピ発信をきっかけに人気を集め、雑誌、WEB、テレビなどで幅広くレシピを開発する。時短・簡単ブームからの揺り戻しを的確に予見し、「体験としての料理」という新しい価値を日本の家庭に提示。レシピの量産ではなく「料理のある暮らし方」を伝えることを重視し、自走できる料理の考え方を提供している。また、YouTubeとポッドキャストを通じてレシピを超えた料理観や生き方を発信し、次世代の料理家スタイルも提案している。


○せいろを日常の調理器具として家庭に浸透

料理クリエイターのりよ子さんは、今年の食トレンド大賞1位「ワンプレートせいろ」のブームを牽引した最大の立役者。「失敗しない料理」という新しい概念を提示し、焦げない、温度管理不要、タイマーを忘れても大丈夫という寛容さで料理恐怖症の人々を解放。木との接点や湯気の癒し効果など、調理の心理的・情緒的価値を発見し、料理に「癒し」という新しい価値軸を加えている。

○「おいしい節約」という新しい食文化を醸成

かさまし料理家・クックパッドアンバサダーのよっちさんは、今年の食トレンド大賞3位「かさまし料理」を牽引し、この時代の課題に実践的な解決策を提示した。もやし、じゃがいも、えのきたけ、キャベツ、大豆製品という「5大かさまし食材」を確立し、限られた予算の中でもおいしさと満足感を創り出す新しい食文化を提案した。
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