マイナビは11月27日、「2025年冬ボーナスと転職に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年11月04日~11月09日、20~59歳の前月転職活動を行った、もしくは今後3カ月で転職活動を行う予定(3カ月以内に中途入社した人を除く)の正社員1,325名を対象にインターネットで行われた。

○転職を検討する正社員51.4%が「冬の賞与支給後に転職予定」

転職を検討している正社員の51.4%が「今年の冬の賞与支給後に転職する予定」と回答した。年代別では20代が62.0%で最多であった。企業にとって賞与支給のタイミングは、離職リスクの高まる時期といえる。

一方で、全体の43.6%が「賞与額が高かった場合に転職するのをやめる可能性がある」と回答しており、こちらも20代が53.5%で最多だった。

また実際に「想定よりも賞与額が高かったことで転職を思いとどまった経験がある」割合は全体で33.6%だった。

転職を思いとどまった際の賞与額平均は80.5万円で、賞与の金額が転職の意思決定に一定の影響を及ぼしている可能性があると考えられる。

○約7割が「賞与が少ない」ことが理由で転職を経験

転職経験があり、現在転職を検討している人のうち、過去に賞与が少ないことが理由で転職したことがある人は70.1%(「1番大きな転職理由だった(30.3%))+「1番ではないが転職理由だった(39.8%)」の合計)であった。

年代別で見ると、「賞与が少ないことが1番大きな転職理由だった」割合は20代が56.2%とほかの年代と比べて高く、20代では賞与額の少なさが特に転職の動機となっていることがうかがえる。

また、転職理由となった賞与の平均額は29.8万円であった。

○理想の賞与額は平均81.5万円、予想額と30.5万円のギャップ

前年の冬の賞与額平均は54.3万円、今年予想している冬の賞与額平均は51.0万円で前年実績よりやや低い予想となっている。

また自分の仕事に見合うと思う理想の賞与額平均は81.5万円で、今年予想している金額とのギャップは30.5万円、前年実績とのギャップは27.2万円だった。

年代別にみると、50代は今年予想している賞与額・理想の賞与額ともに金額が高い傾向がみられ、予想と理想の賞与額の差額が最も大きかったのも50代で39.1万円のギャップがみられた。


○転職を思いとどまる福利厚生制度は?

転職検討中の正社員のうち79.6%が、給与や賞与が増えなくても、この福利厚生があれば転職を思いとどまるかもしれない制度があると回答した。具体的には、「有給休暇の取得促進(33.5%)」が最多、次いで住宅手当や在宅勤務手当などの「通勤・住環境の支援(30.5%)」となった。

こうした制度が、転職を思いとどまる理由になる背景について自由回答で聞き、4分類で整理した。
○1.収入の補填につながる

収入が不足分を「副業」で補える、あるいは支出を抑えられる福利厚生があれば、転職を控えたいという声が多く寄せられた。
○2.私生活を重視できる

通院や家庭の事情に合わせて休みが取りやすいなど、プライベートを優先できる環境に価値を感じるといった意見が目立った。
○3.キャリア・スキルアップにつながる

転職しなくても成長機会が得られるなら、あえて動く必要はないと考える回答が一定数見られた。
○4.人間関係・心理的安全性が確保されている

働きやすい雰囲気やパワハラ防止など、心理的安全性を重視する声も少なくなかった。

どのカテゴリの理由を挙げた人も、複数回答のひとつに「有給休暇の取得促進(取得率の向上、取得しやすい雰囲気づくりなど)」を選んでおり、休暇の取りやすさへの需要の高さがうかがえた。
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