日本庭園の四季折々の美しさで知られる東京・白金台の「八芳園」。その本館3階に2025年秋、新たにオープンした「ALL DAY DINING FUDO(オールデイダイニング フウド、以下FUDO)」にて、同店初となる「クリスマスアフタヌーンティー」(1人6,600円)が12月1日よりスタートする。
今回は一足先にその全貌を紹介しよう。

○一品一品の完成度が高い! 産地直送で届く国産食材を取り入れたセイボリー

「八芳園」と連携協定を結ぶ自治体の地域を中心に、生産者から届く旬の食材を、店内の石窯を使って調理する「FUDO」。2025年12月1日(月)~25日(木)の期間限定(15:00~17:00の2時間制)で提供される「クリスマスアフタヌーンティー」でも、産地直送で届く食材を取り入れたメニューが目白押しだ。

アフタヌーンティーは1人1台スタンドが供されるので、誰かと一緒でも、おひとりさまでも気兼ねなく利用できるのが嬉しい。まずセイボリーの中で素材の力強さを感じたのが、じっくりとローストされ甘みが引き出された「人参のロースト」。パプリカベースのロメスコソースに、オレンジとレモン果汁でマリネしたアーモンドスライスがトッピングされており、人参のホクホクとした甘さに柑橘の爽やかな香りが重なり、驚くほど奥行きのある味わいだ。

その隣にあるのは「八幡平マッシュルームとサーモンのカナッペ」。岩手県八幡平で収穫されたマッシュルームが生のままスライスされており、その芳醇な香りとフレッシュな食感が、なめらかなサーモンリエットと絶妙にマッチしている。

山梨県「中村農場」の卵を使用したスパニッシュオムレツには、長野県産のジャガイモやパプリカ、玉ねぎなど、季節の野菜がたっぷり。また、ランチで人気のメニューをアレンジした「八ヶ岳名水赤鶏のチャイニーズチキントルティーヤ」もラインナップ。片手でつまめるサイズ感ながら満足度が高く、セイボリーの構成力の高さが窺える一品だ。さらに中央には、クロテッドクリームとベリージャムをつけていただく、焼きたてのスコーンも2つ用意されている。

○サンタやトナカイなど、クリスマス気分を高める愛らしいスイーツ

スタンドの上段には、クリスマスをモチーフにした可愛らしいスイーツが並ぶ。まず目を奪われるのは、トナカイに見立てた「カヌレ」だ。赤い鼻と角を生やした愛らしい見た目はもちろん、外はカリッと、中はモチッとした食感のコントラストが楽しい。その横には、リースをイメージした「ピスタチオとフランボワーズのムース」が鎮座し、クリスマスカラーの赤が祝祭ムードを盛り上げる。

サンタクロースの帽子を表現した「タルト」は、チョコレートサブレを土台に、カスタードクリーム、フレッシュないちご、そして生クリームを重ねた一品。赤ワインでコンポートしたいちじくを混ぜ込み、アニスやシナモンの香りをまとわせた「ボンボンショコラ フィグ」は、クリスマスマーケット名物のグリューワインを思わせる。クリスマスツリーが描かれ、周囲についたグラニュー糖がダイヤモンドのようにキラキラと輝く「サブレ・ヴァニーユ」もフェスティブシーズンにぴったりの逸品だ。

嬉しいのが「FUDO」名物の「ダッチベイビー」もセットになっていること。ドイツ発祥と言われるシュー生地風パンケーキで、石窯の高温で一気に焼き上げられた生地は、外側がサクッと香ばしく、中はふんわりとした独特の食感だ。バニラアイスと自家製のベリーソースを絡めていただけば、温かさと冷たさが口の中で溶け合い、至福のひとときが訪れる。

○信楽焼、美濃焼など、こだわりの器でいただくコーヒーやティーの数々

アフタヌーンティーに欠かせないドリンクにも「FUDO」ならではのこだわりがある。コーヒーには「イリー アラビカ」のインテンソを使用。
特筆すべきは、その器だ。信楽焼、美濃焼、津軽金山焼、瀬戸焼という日本の伝統的な4種類の焼き物が使われている。手に馴染む温かみのある器でいただく一杯は、格別の味わいだ。

紅茶好きにはたまらないのが、その種類の多さ。「アールグレイ」や「ダージリン」といった定番に加え、八芳園らしく「朝霧煎茶」や「加賀棒茶」といった日本茶も用意されている。さらに驚くべきはハーブティーのラインナップ。「ローズヒップ」や「カモミール」といったスタンダードなものから、「マンゴーティー」「ピーチティー」「ストロベリーティー」などのフルーツ系、「モヒートティー」や「レモンバーベナ」といった爽やか系まで、実に11種類が並ぶ。スイーツに合わせてペアリングを変えたり、食後にさっぱりとした一杯やデカフェメニューを選んだりと、選ぶ楽しみが尽きない。
○雪の結晶が輝く冬のご褒美「雪灯-苺ショコラパフェ」

アフタヌーンティーと合わせてチェックしたいのが、「雪灯-苺ショコラパフェ」(3,000円)だ。トップには繊細な飴細工で作られた「雪の結晶」が飾られ、冬の澄んだ空気を思わせる美しいビジュアル。グラスの中には、濃厚なチョコレートアイスやショコラプリン、そしてフレッシュないちごといちごアイスが層を成している。

特筆すべきは、その計算されたバランスだ。
濃厚なチョコの甘さに、カカオジュレやカカオニブのチュイールがほろ苦さと食感のアクセントを加え、さらにラズベリーソースの酸味が全体を引き締めている。

食べ進めると、グラスの底にはアールグレイ香るショコラプリンが待ち受けている。カカオの苦味と紅茶の華やかな香りが重なり合い、最後の一口まで飽きることがない完成度の高い一品だ。

華やかな見た目だけでなく、石窯料理や日本各地の素材へのこだわりが詰まった「FUDO」のフェスティブシーズンメニュー。今年一年、頑張った自分へのご褒美にも最適だ。

※価格は全て税込、別途サービス料10%

中森りほ 中森りほ グルメ系Webメディアの編集を経て2017年よりフリーライターに。毎月各地を訪れ、ホテルや飲食店を中心に取材、撮影、執筆。フードアナリストの資格も持つ。 仕事実績:https://nakamoririho.com/portfolio/ この著者の記事一覧はこちら
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