冬のボーナスが入り「何を買おう」と迷っているでしょうか、それとも「生活費の補てんにしよう」と考えているでしょうか。また、「将来のために少しでも増やしたい」と考え、ボーナスで投資を始めようと検討中の人も多いかもしれません。
そこで本稿では、冬ボーナスで資産運用する際のおすすめの運用方法をご紹介。さらに、ボーナスを有意義に使うための工夫についても解説します。
ボーナスの使い道は「貯金や預金」と「資産形成」の二極化
一般的にはまとまった金額がもらえるボーナスですが、世の中の人はボーナスを何に使っているのでしょうか。株式会社400Fが実施した「オカネコ 夏のボーナスに関する調査」(2025年)によると、夏ボーナス支給予定の人のボーナスの使い道は、「貯金や預金」が最も多く、65.0%にのぼりました。
そして2位には、「資産形成(保険、NISA、不動産投資、投資信託等)」(49.3%)がランクイン。次いで3位は、「旅行や外食」「日常的な生活費(普段の食事や日用品の購入)」(いずれも28.1%)となっています。
近年のボーナス調査では、「貯金や預金」が1位の常連ですが、2025年の本調査においても最も多い結果となりました。近ごろは物価高が続いていることもあり、将来への不安から「なるべくお金を使わない」という傾向が一段と強まっていると考えられます。
また、3位に「日常的な生活費」が入っていることから、生活コストの上昇で毎月の給料だけでは家計が苦しくなる人が増えている現状も見えてきます。
そして、「資産形成」を選ぶ人は「貯金や預金」に次いで多く、その内訳では「NISA枠内での投資」(86.0%)が最も高い割合を占めました。2024年のNISA制度改正を受け、非課税メリットへの関心がより高まっていることがうかがえます。
こうした結果から、ボーナスの使い道は “貯金や預金による生活防衛” と “投資による資産形成” の二極化が進んでいると言えそうです。
ボーナスで投資を始めるべき3つの理由
上記のボーナス調査では、投資による資産形成を検討する人はとても多いことがわかりました。実は、ボーナスこそ投資にまわすべき理由がいくつもあります。ここでは、その中でも特に重要な3つのポイントをご紹介します。
1.預貯金だけではインフレに負けてしまう
物価上昇が続く局面では、お金を預貯金として置いておくだけだと、額面は変わらなくても「実質的な価値」が目減りしてしまうリスクがあります。
日本政府と日本銀行は、物価上昇率(インフレ率)を年2%にすることを目標に掲げています。もしこの状態が続くと、現在の100万円は、1年後には約98万円の価値に、5年後には約90万5000円の価値に減ってしまいます。そして、10年後には約82万円に目減りする計算です。
銀行の預金金利は以前よりは上がったものの、いまだ低金利が続いています。そのため、預貯金だけでは、インフレによるお金の価値の目減りに追いつくことはできません。一方、ボーナスを投資にまわせばインフレを上回る運用効果が見込め、お金を増やせる可能性があります。
2.ボーナスなら生活費と切り離せる
毎月の給料から投資にお金をまわすと、「生活が苦しくなったらどうしよう」と不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、ボーナスは「臨時収入」ですので、普段の生活費とは切り離して考えられます。
そもそも、投資は余裕資金で行うのが鉄則です。生活費を切り詰めて資金を捻出するのではなく、「ボーナスの〇割を投資にまわす」とルールを決め、無理のない範囲で着実に資産形成を進めることが大切です。
3.まとまった資金で効率よく運用できる
投資はできるだけ早くスタートしたほうが、時間を味方につけ、複利効果を大きくできます。複利効果とは、投資で得た利益を元本に加えて再び投資することで、利益が利益を生み、雪だるま式にお金が増えていく効果のことです。
そして、ボーナスを利用してまとまった金額を最初に投資にまわすと、元本が大きくなり、効率よくお金を増やせる可能性があります。
一方で、一括投資をした直後に市場が急落し、一時的に元本割れする恐れもあります。すると、精神的なダメージから投資を続けられなくなってしまうかもしれません。そこで、ボーナスから投資にまわすお金の半分は一括投資、残り半分は1~3年かけて積立投資に上乗せするという方法もおすすめです。
ボーナスで始めたい資産運用3つの方法
では、実際にボーナスで資産運用するなら、どのような方法がいいのでしょうか。ここでは、特におすすめしたい3つをご紹介します。
1.NISA - まずは手堅く長期の資産形成
はじめに検討したいのは、税制優遇が受けられる「NISA(少額投資非課税制度)」です。通常の投資では、運用で得た利益に20.315%の税金がかかります。
2024年に始まった新NISAは、年間投資枠がつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円の計360万円へと大きく拡大し、制度も恒久化しました。
さらに、生涯における非課税保有限度額は1800万円ですが、保有している枠を売却すると、翌年以降に再び枠を使えるようになります。
つまり、非課税保有限度額の枠を使い切っても、売却することで枠を何度でも再利用でき、以前よりも大きな非課税メリットを得られる可能性があるのです。
なお、新NISAのうち「つみたて投資枠」は積立投資専用の枠になります。一方の「成長投資枠」は、積立投資も一括購入もどちらも可能です。ボーナスから投資にまわすお金を一括投資と積立投資の上乗せに分ける場合は、枠の使い分けも意識しましょう。
2.iDeCo - 老後のための資金作りもスタート
NISAと並んで代表的な非課税制度として知られているのが、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。お金を貯める目的を問われないNISAに対し、iDeCoは老後資金作りに特化しています。
iDeCoでは、毎月掛金を積み立て、自分で選んだ金融商品を運用しながら「自分年金」を育てていきます。そして、60歳以降に一時金または年金としてお金を受け取りますが、その金額は選択した商品の運用成績によって変わる仕組みです。
NISAと同じく運用で得た利益が非課税になるほか、iDeCoではさらに、掛金の全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担が軽減されます。
このように、iDeCoは節税しながら年金が作れる非常にお得な制度です。老後資金を貯めたいと考えているなら、ボーナスの一部をiDeCoの拠出資金とするのも有意義な使い方でしょう。
3.ロボアドバイザー - AIの力を借りて気軽に資産運用
投資に挑戦したくても、「知識も時間もない」という人におすすめなのが、AI投資とも呼ばれる「ロボアドバイザー」です。投資目標やリスク許容度などから自分に合う投資先を自動で選んでくれるため、初心者でも気軽に投資を始められます。
ロボアドバイザーには、大きく「助言型」と「自動運用型」の2つのタイプがあります。助言型は無料で利用でき、適切な投資のアドバイスをしてくれます。一方の自動運用型は手数料がかかりますが、投資家は口座を開き入金するだけで、運用商品の選択や購入、リバランスまで全てを自動で行ってくれます。
「ボーナスで投資をしてみたいけど、難しそう」と感じて一歩踏み出せない人は、AIの力を借りて運用をスタートするのも一つの手でしょう。
ボーナスを有意義に使うため意識したい工夫2つ
最後に、ボーナスをより有意義に使うために意識しておきたいポイントについて解説します。
1.投資は「自動化」「仕組化」で継続させる
せっかくボーナスを使って投資するなら、継続してしっかり成果につなげたいものです。そのために欠かせないのが「自動化」や「仕組み化」。
たとえば、先ほど挙げたNISAやiDeCoなどの制度を使えば、毎月自動でお金を積み立てられます。NISAなら積立設定をしておくことで自動的に投資が続けられますし、iDeCoはもともと毎月掛金が自動で引き落とされる仕組みのため、自分で手続きをしなくても確実に積立が進みます。
投資は、時間を味方につけるほど成果が出やすくなります。一括購入だけでなく積立も取り入れ、手間をかけずに続けられる仕組みを整えておきましょう。
2.ボーナスを「黄金比率」に分ける
ボーナスを資産運用にまわすのはとても有効ですが、「いつも頑張っている自分へのごほうびに使いたい」という気持ちもありますよね。また、いざという時に備えて現金を確保しておくことも大切です。
そこで、ボーナスを「黄金比率」に分けて、バランスよく有意義に使う方法をご紹介します。黄金比率とは、ボーナスを以下のように配分して活用する考え方です。
・貯金(普通預金や定期預金): 4割
・消費(自分へのごほうび): 3割
・自己投資(スキルアップや資格取得など): 2割
・金融資産への投資(株式や投資信託など): 1割
たとえば、ボーナスが100万円支給される場合、貯金に40万円、消費に30万円、自己投資に20万円、金融資産への投資に10万円のように分けて使うのです。
ただし、この比率はあくまで目安であり、家族構成や家計の状況によって調整が必要な場合もあります。たとえば、十分な貯金がある場合は金融資産への投資を増やすこともできますし、自己投資を重視したい場合は、消費を少し抑えてその分を充てるのも賢い方法です。
大切なのは、ボーナスを消費だけで使い切ったり、逆に全て貯金にまわして好きなことに使うのをガマンしたりするなど、極端な使い方を避けることです。そのためにも、ボーナスが支給される前に、あらかじめ使い道をしっかり考えておくことが欠かせません。
今年は冬ボーナスで「投資」にチャレンジ
毎年決まって支給される人も、やはりボーナスは普段の給料とは別の「特別なお金」として、大切に使いたいものです。これまで資産運用に踏み出せなかった人も、今回の冬ボーナスをきっかけに、貯金や消費以外の選択肢として「投資」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら











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