GT 6 Proがサイクリングの専門機器として活躍
ファーウェイのスマートウォッチ、GTシリーズのプロモデル「WATCH GT 6 Pro」が2025年10月14日に発売されました。前モデルのGT 5 Proに比べて、GT 6 Proはサイクリングやゴルフ、スノーボード、スキー、登山、ランニングなど、ワンランク上のスポーツ機能を搭載したことが特徴。中でもサイクリング機能が大幅にアップデートされ、「サイクリングパワーシミュレーション測定」機能なるものが初搭載されました。
これらの新機能を試したく、今回メーカーに実機を借りて約1カ月間使ってみました。
○画面の拡大で文字が読みやすい。早速サイクリング機能をチェック
GT 6 Proを初めて装着した第一印象は、画面が大きく文字が非常に読みやすいこと。約1.47インチのディスプレイは、画面の占有率が前モデルよりも5.5%増加したのだとか。
八角形デザインでベゼルのエッジに分表示の目盛りがあるところも、メカニックでカッコイイと思いました。
早速、気になっていたサイクリング機能を試したところ、前モデルでは表示されなかった「パワーの試算」という項目が増えていました。
サイクリングパワーとは、ペダルを漕ぐ力×回転数で算出される指標で、本来ならパワーメーターとサイクルコンピュータなどの専門機器が必要です。それがウォッチ単体で試算できるのは、スマートウォッチ業界では初めてのことなのだとか。
サイクリングモードでは、連携したスマホがサイクルコンピュータとして機能して、距離、時間、速度、消費カロリーなどのデータがほぼリアルタイムで表示されます。
スマホはホルダーで自転車に取り付けたのですが、ウォッチより画面が大きいので、走行中のデータや地図が見やすかったです。5kmごと(デフォルト値で変更可能)に音声で速度や時間などをアナウンスしてくれるのも参考になります。
信号待ちなどで止まった時は、自動で計測を一時停止してくれます。
走行中にチラッと見えた値は70や80くらい。ワークアウト終了後の画面で、平均パワーの試算が78W(ワット)であることがわかりました。
サイクリングパワーは女性100~150W、男性150~250W程度が一般的で、レースに出場する選手などは300W以上になることもあるそう。それに比べると78Wというのは平地をゆっくりと、ほぼ抵抗を感じないくらいのスピードで走っている状態で、サイクリングにおいて非常に低い運動強度だそうです(確かに公園のサイクリングロードをのんびり走っていました)。
距離や時間、速度だけでなく、運動強度も数値化されるのは励みになります。次に自転車に乗る時はもっと平均パワーの数値をアップしたいと思いました。
ツーリング仲間とチームを組んでサイクリングする時に、互いの位置情報を共有できるようにもなりました。複数人で走行すると、信号待ちなどではぐれることが多く、筆者もその経験アリ。
はぐれた時はSNSで連絡し合って落ち合うのですが、時間のロスが大きいので、位置情報の共有はとても便利だと思います。
YAMAPのデータに沿って登山ルートや標高をナビゲーション
○登山アプリ「YAMAP」のルート表示に対応、実際の動作は?登山機能では、登山アプリ「YAMAP」のルートを読み込んで、ウォッチでルートナビゲーションができるようになりました。地図は等高線付きでわかりやすく、リューズを回転させることで地図の拡大や縮小が可能。測位衛星精度も前モデル比で約20%向上したそうです。
ただ、事前にしっかり準備して、ワークアウト時にYAMAPのルートを選択する必要があります。筆者は1回目の登山でこの操作に失敗し、2回目でようやく新機能を体験できました。
そこでYAMAPのルートをGT 6 Proのワークアウトに利用する方法を説明しておきます。なお筆者はAndroidスマホなので、iPhoneとは多少、文言が異なる場合があります。
○(1) YAMAPで登山ルートを作成し、GPXデータをエクスポートする
YAMAPで「登山計画を作成」します。登山道の分岐にある○を選択していくことで、簡単に登山ルートが作成できます。作成できたら地図も含めて保存して、GPXデータをスマホにエクスポートします。なおGPXデータの保存は「YAMAPプレミアム」限定の機能になります(月額780円、年額5700円)。
○(2) GPXデータをHUAWEI Healthアプリにインポートする
連携する「HUAWEI Health」アプリの下部メニューから「自分」を選択。「マイルート」から「ルートをインポート」をタップして、YAMAPのGPXデータを選んで保存します。「マイルート」に保存された登山ルートを開き、「ウェアラブルに転送」すると、ルートデータがペアリングされているウォッチに転送されます。
○(3) GT-6 Proでルートナビゲーションを開始する
ウォッチで「ワークアウト」を開き、「登山」や「ハイキング」、「トレイルラン」など、これから記録するワークアウトモードを選択します。
その右側にある設定アイコン(縦の2つの点)をタップして、「ルート」から「ワークアウトナビゲーションを有効にする」をオンに。その後、ワークアウトモードの「GO」と表示されたスタート画面をスクロールすると「ルート」が表示されるので、そこから使用するルートを選んで「運動に進む」でワークアウトを開始します。
事前に作成した登山ルートはオレンジ色で表示され、自分が進んだルートはブルーで表示されます。画面をタップして見たい部分を表示したり、拡大、縮小が可能です。
なお等高線表示の地図は、事前にHUAWEI Healthアプリの「デバイス」からGT 6 Proの端末を選び、「オフラインマップ」からダウンロードしておきましょう。
ルート表示は1kmごと(デフォルト値で変更可能)に音声で距離や速度などをアナウンスしてくれたり、分岐のところで「右折です」などと教えてくれるのが便利でした。ルートをはずれた時には音声やバイブ、画面表示で警告してくれるのも安心。
新たに「ルートの標高」を表示できるようになったので、今、どの辺りにいて、頂上までの登りがどれくらいか、下りの斜面の様子などもわかりやすかったです。
今回、YAMAPの登山ルートでナビゲーションしたことで、ゴールまでの距離や時間、到着時間がわかるようになったのも便利でした。
山によっては路線バスでアクセスすることもあります。その場合、本数があまりないケースが多いので、乗り損ねると大変。そんな時に到着時間を確認しながら登山できるのは心強いです。
また、山の傾斜が何%かわかるようになったり、地図やルートの標高など、あらゆる画面でゴールの方向を矢印で示してくれるのも便利で、これらのアップデートにも細かい配慮を感じました。
今回は日帰りでしたが、2泊3日などで登山する時も、GT 6 Proは通常使用で約21日、ヘビーユースでも約12日間とパワフルバッテリーなので充電器は不要でしょう。
輝度は最大3000nitsと、明るい日差しの中でも画面が見やすく、ディスプレイには傷が付きにくいサファイアガラスを採用しているので、ウォッチが木や岩にぶつかった時も気にせずに済みました。
40mの水中でフリーダイビングできる機能も備えているので、沢登りや川を横断する時などに水濡れを心配する必要もありません。
今後、日本最大級のウインタースポーツアプリ「Yukiyama」が提供する全国約100カ所のスキー場マップにも、11月末頃のアップデートで対応。スキー場で自分が今いる場所がわかったり、仲間の位置などを確認できるようになるので、ウインタースポーツでもGT 6 Proが大活躍してくれそうです。
健康管理機能や日々のお天気表示も進化
○今の気分を教えてくれる情緒モニタリングがより詳細に睡眠モニタリング、心拍数、血中酸素レベル、皮膚温に加えて心電図も測定可能で、日々の健康管理に欠かせないGT 6 Pro。今の気分を教えてくれる情緒モニタリングも感情の分析が3種類から12種類に増えたので、感情の機微をより詳しく知ることができるようになりました。
筆者はウォッチで天気や気温をよく確認するのですが、前モデルと違って、1週間の天気予報の最高気温と最低気温の表示がとても見やすく改善されていました。
前モデルから実に進化していると感じたGT 6 Pro。サイクリング機能では専門的なサイクルデバイスを最大4つまで同時接続でき、より精密なサイクルデータを取得することも可能なので、初心者だけでなく本格的なサイクリストにもおすすめです。
100種類以上のワークアウトモードにも対応して、サイクリングやゴルフ、ランニングなど、専門的なスポーツウォッチとしても活用できるので、新たな興味や趣味にも寄り添ってくれます。
○WATCH GT-6 Proの主な仕様
サイズ:約W45.6×H45.6×D11.25mm
重さ:約54.7g(ベルト含まず)
ディスプレイ:約1.47インチ/466×466ピクセル AMOLED/最大輝度3000nits
衛星測位:GPS/GLONASS/GALILEO/BeiDou/QZSS/NavIC
防水機能:5ATM(50m防水)+IP69
稼働時間:通常使用約21日間/ヘビーユース約12日間/GPS連続使用時約40時間
綿谷禎子 わたたにさちこ 情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手がける。 この著者の記事一覧はこちら











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