住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、今後の金利情報についてお伝えします。解説は、取締役CMO:塩澤崇です。

■12月の住宅ローン金利の動き

2025年12月の住宅ローン金利情報をお伝えします。

変動金利は、多くの銀行で変わらず先月と同じ金利となりましたが、三菱UFJ銀行の新規借入時の金利が年0.075%上昇しました。基準金利は変えずに引き下げ幅を縮小しているため、新規借り入れユーザーのみの引き上げであり、返済中ユーザーには影響しません。

これまで日銀による政策金利引き上げ後も三菱UFJ銀行は他の銀行と比較して、上げ幅を抑えてきていたものを今回のタイミングで調整したものと思われます。

また、auじぶん銀行は借換時の金利を年0.20%引き下げています。こちらも基準金利の変更ではなく、獲得を伸ばすための戦略的な引き下げと推察されます。

固定金利は、前月から10年国債利回りが大きく上昇したことを受け、全体的に上昇しています。「メガバンクの10年固定金利」をベースに見てみると2025年7月から5カ月連続で上昇しており、固定金利が上昇傾向にあることがわかります。

各銀行の固定金利は、長期金利に連動しており、特に10年国債利回りを基準としていることが多いです。

なお、通常、固定金利は固定期間が長いほど金利が高くなる傾向にあります。長期固定にすればするほど、金利上昇を回避するための保険料が高くなる、と考えて頂ければと思います。

ですが、直近は10年固定とフラット35の逆転現象が起きており、フラット35を運営している住宅金融支援機構が、長期金利上昇にもかかわらず金利上昇を抑制していることが見て取れます。
今後もこの動きが続くか、要チェックです。
○■変動金利は一部の銀行を除き変わらず、固定金利は多くの銀行で上昇

続いて、各銀行グループの変動金利の動きを見てみます。2024年8月以降、メガバンクがネット系銀行の水準を下回っていましたが、今月は逆転する結果となっています。

下図の通り、メガバンク vs ネット銀行の激しいバトルが続いています。ただし、各グループの中でも二極化が見られ、低金利で獲得数を伸ばそうとしている銀行と金利を引き上げて収益性アップを狙っている銀行に分かれています。

そのため、各銀行間の金利が開いている状況となっており、より一層の比較検討を行うことが重要となっています。

【個別銀行の動き】
冒頭で述べたとおり、三菱UFJ銀行が新規借入時の変動金利を上昇し、auじぶん銀行が借換時の金利を引き下げています。他に目立った動きはなく、ほぼ全ての銀行が固定金利を引き上げています。

主要金融機関の適用金利の先月との比較は下記表の通りです。

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