ライオンが、意外と知らない「カーテン」「羽毛布団」「カーペット」など大物の丸洗いの仕方について解説している。
○年末に洗いたい大物1位は「カーテン」

同社は、普段洗えない大物を洗う日として、12月第3土曜日(今年は12月20日)を「大洗濯の日」と制定している。
今年も猛暑続きで、カーテンや布団など日頃洗っていない大物の汚れについても気になっている人も多いと考えられる。同社がアンケートで「大物のお洗濯で最も洗いたい代表的なアイテム」について聞いたところ、約半数が「カーテン」と回答している。また普段のお洗濯ではあまり洗わない「羽毛布団」(23%)、「カーペット」(15%)、「こたつ布団」(12%)が続いた。

年末に洗いたい大物ランキング1位のカーテンだが、大変だからと先延ばしにしてしまうことも。同社が女性を対象に行ったアンケートでは、「1年に1回程度」がもっとも多く、なかには「6~10年に1回程度」や「10年以上洗っていない」という人も見られた。

一見キレイに見えても、実際に洗濯をしてみると意外と汚れていることもあるカーテン。汚れたまま使用していると部屋の照度にも影響し、部屋全体が暗く感じられてしまうことも。

実は、カーテンは"洗い方"によって仕上がりが大きく変わるという。比較すると、適切に洗ったカーテンはしわが少なく仕上がるが、適切でない洗い方ではしわ目立ってしまう。カーテンがきれいだと、部屋全体の印象も明るくなる。

○Step.1 カーテンを洗う前の準備

まず家で洗えるかをカーテンの洗濯表示で確認する。以下の洗濯表示がついている場合は、家庭で洗うことができる。


カーテンなどの大きく厚手な洗濯物を洗う場合、布の奥まで洗浄成分がしみ込みやすい液体洗剤の使用が推奨され、デリケートな素材や色柄を守りたいカーテンの場合は、おしゃれ着用洗剤のアクロンを使用できる。さらに、洗濯機の取扱い説明書でカーテンを洗う時のコースを確認し、洗濯ネットや洗濯キャップが必要な場合は準備する。

○Step.2 洗濯機で洗う

カーテンから金具を外してホコリをはたき落とし、気になる部分には洗剤の原液をつけてキャップの底でたたいてしみ込ませ「前処理」を行う。

汚れが気になる部分を表にして「ジャバラ状」にたたむ。

洗濯表示に「洗濯ネット使用」と書いてある場合や、レースのカーテン、デリケートな素材のカーテンは、洗濯ネットに入れて洗う。

洗濯機に入れる向きも、上手に洗うポイントのひとつ。洗濯機はかくはん羽根付近が最も機械力が強く汚れが落ちやすいので、縦型洗濯機の場合、汚れている面を洗濯機の底側に向けていれて洗う。

カーテンの洗濯表示を確認し、洗濯機の取扱説明書に従ってカーテン洗いに最適なコース(おしゃれ着コースや毛布洗いコース、大物洗いコースなど)を選択。カーテンの汚れがひどい時は、「液体酸素系漂白剤」を適量入れて洗う。洗濯中、洗濯液が真っ黒になるようであれば、「二度洗い」が推奨される。

○Step.3 カーテンを干す

洗濯じわや型くずれを防ぐため、脱水後はすぐに取り出して、手で縫い目を伸ばす。

レースのカーテンは、カーテンレールに干すと、カーテン自体の重さで全体のしわが伸びて、キレイに仕上がるだけでなく、干す場所ももらない。
ただし、重い厚手のカーテンは、カーテンレールに負担がかかるので、洗濯竿に干すことが推奨される。干す前には窓ガラスを掃除して、汚れがつかないように注意する。

○羽毛布団/こたつ布団の洗い方

家庭では洗えないイメージがある羽毛布団やこたつ布団だが、洗濯表示によっては家で洗濯できる。
○Step.1 洗う前に確認しておきたいチェックポイント

羽毛布団やこたつ布団についている洗濯表示を確認する。また、カバーについているタグや洗濯表示の裏面に注意書きが載っている場合があるため、併せてチェックする。

さらに、洗濯機の取り扱い説明書の「毛布コース」や「大物洗いコース」のページを確認し、羽毛布団やこたつ布団が洗える洗濯機かどうかを確かめる。また、洗濯時のかたよりや布傷みを防ぐため、「お洗濯キャップ」または「洗濯ネット」を必要とする場合が多いため、前もって準備する。

ポイントとして、羽毛布団やこたつ布団は乾きにくいため、湿度の低い晴れた日の洗濯が推奨される。
○Step.2 前処理を行う

布団を物干し竿などにかけて、布団を軽くたたき、ホコリなどの汚れを落とす。

特に目立つ汚れがある場合は前処理を行う。やわらかいスポンジにおしゃれ着用洗剤(アクロン)を薄めた洗剤液(水4Lに対して10mlが目安)を含ませて、汚れが目立つ部分になじませる。生地を傷める可能性があるため、スポンジのかたい面ではこすらないように注意する。


○Step.3 洗濯機で丸洗い

汚れている部分が外側になるようにジグザグに3つに折り畳み、端からロール状に丸める。

洗濯機の取り扱い説明書に従い、洗濯キャップをつける、または洗濯ネットに入れて布団を洗濯槽にセットする。

次に、毛布コースや大物洗いコースを選択し、洗濯機の表示に従っておしゃれ着用洗剤を洗剤投入口にセットする。水に浮きやすく浸らないことがあるため、縦型洗濯機の場合は水が溜まったら一時停止し、両手で5~6回程度押し沈めてから洗濯を開始する。

○Step.4 ふんわり仕上がる洗濯後の干し方

脱水後はできるだけ速やかに、物干し竿2本をまたぐように干す。風通りが良くなり、早く乾かすことができる。この時、日光に直接当てると日焼けしたり、羽毛が傷んだりしてしまう恐れがあるので、風通しのいい場所で陰干しする。

物干し竿に干したら、全体の形を整える。ある程度乾いたら羽毛のかたよりをほぐし、布団の端を持ち振る。乾燥するまでに数回羽毛をほぐすとふっくら仕上がる。

完全に乾いていない場合は室内の椅子にかけたり、布団乾燥機を使用して乾かす。

○カーペットの洗い方

カーペットやラグマットは、家族がくつろぐ場所に敷くことが多く、飲み物や食べ物の食べこぼしの汚れが付きもの。
加えて在宅勤務が多い人、また夏の暑い日に付いた汗の汚れが気になっている人も多いかもしれない。大物のカーペットは、お風呂の浴槽で「足踏み」洗いができる。
○Step.1 カーペットの「洗濯表示」をチェック

洗濯表示に「洗濯おけ」「手洗い」「洗濯機」などのマークがあれば、家庭で洗うことができる。一方で「洗濯おけに×」の表示がある場合は家庭洗濯ができないため、クリーニング店に出す必要がある。

○Step.2 洗剤で色落ちしないか、確認する

色物や柄物のカーペットは、まず洗剤の原液を白い布につけ、目立たない部分を軽くたたいて色移りがないか確認する。布に色がつく場合は自宅で洗えないため、クリーニング店に出す。また、毛足の長いカーペットは、毛倒れや絡まりが起こりやすいため、クリーニング店に出すことが推奨される。

○Step.3 洗う前の準備

掃除機や粘着ローラーで表面のホコリや髪の毛などを除去する。シミ汚れなどがある場合は、おしゃれ着用洗剤(アクロン)の原液をつけ、キャップの底で軽くたたいておく。

○Step.4 折りたたむ

汚れた部分を外側にして、四つ折りにし、さらに半分に折り、浴槽に入る大きさに折りたたむ。

○Step.5 浴槽で「足踏み」洗い

カーペットがつかる程度の水を浴槽に入れたあと、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を使用量の目安に従って入れ、端から足踏みするように洗う。例として、浴槽300Lの場合、1/10程度の水量(30L)であればアクロンを40ml使用する。
転倒を防ぐため、足踏みする際は壁や手すりにつかまって行う。

○Step.6 シャワーで洗剤液を流し、ためすすぎ

足踏み洗い後、浴槽の栓を抜き洗剤液を流す。シャワーの水を当てて足踏みしながら残っている洗剤液を洗い流し、その後、カーペットがつかる程度に水をためて足踏みしながらためすすぎを行う。すすぎの水を浴槽から抜き、もう一度繰り返す。
○Step.7 浴槽のフチで脱水

すすぎ終わったら、足踏みで水をよく切り、浴槽のフチにかけて干し、30分~1時間そのままにして脱水する。

○Step.8 2本の竿にかけて干す

水が切れてきたら、物干し竿に干す。カーペットによっては重たくてかけにくい場合があるため注意する。2本の竿にかけるようにして干すと、空気の通りが良くなり、乾きが早くなる。直射日光に当たると日焼けしたり、色あせが起こるものもあるため、洗濯表示で干し方を確認し、陰干しマークがある場合は日陰に干す。

○洗濯機で洗う時の注意点

カーペットの中には、「洗濯機で丸洗いOK」というものもあるが、洗濯機によっては故障の原因になるためカーペット・ラグは洗えないとしているものがある。また、大きすぎるものやすべり止めがついているもの、ウレタン(スポンジ類)が入っているもの、厚手のもの、毛足の長いものなどは洗えない場合がある。カーペットが洗える洗濯機でも、ドライコースなどの「弱水流コース」を推奨するものや、「毛布コース」を推奨するものなどがあるため、事前に洗濯機の取扱説明書を確認する必要がある。
編集部おすすめ