ENEOSは12月10日、電通/日本航空/日本マクドナルド/富士フイルムホールディングス/三井不動産と共同で、女性営業職の声を基点にさまざまな立場の関係者が議論して明らかにした「5つの壁」と、働きやすさ向上に向けた取り組み「働きやすさNEXT」をまとめたホワイトペーパー「働きやすさNEXTプロジェクト FOR THE NEXT 2025」を公開した。

このプロジェクトは、業種を超えた6社が連携し、女性営業職が抱える課題について議論するもの。
2025年7月から11月にかけて、各社の従業員178人を対象としたアンケートや、営業職の女性・管理職・経営層が参加する計4回のワークショップを実施しており、参加者の実体験に基づく「リアルボイス」を重視して生成AIも活用しながら議論したという。

公開されたホワイトペーパーでは、活躍を阻む要因として「仕事と育児の両立」「過度な配慮」「世代間の価値観のずれ」「ライフプランとキャリアの板挟み」「女性活躍推進手段の目的化」という「5つの壁」を提示。課題テーマごとに複数のチームを組成し、解決に向けた糸口を検討した。

提言としてまとめられた「働きやすさNEXT」は、人事制度だけでは解決できない現場の実態を踏まえ、誰もが今日から実践可能な前向きの行動指針を目指した内容となっている。

ENEOSから参加した同社広報部長の森田麗氏は、性別を問わず活躍できる環境づくりには上司の覚悟が不可欠であり、制度の整備だけではなく魂のこもった施策を本気で考える必要があるとコメントしている。その他の各社責任者は、現場と管理側の間にある認識のずれやコミュニケーション不足が課題の根底にあると指摘し、相互理解を促す仕組みづくりや対話の重要性を強調。業種を越えた議論を通じて見えた「5つの壁」は社会共通の課題でもあり、今回の成果を基に誰もが活躍できる環境づくりを進めたいとの姿勢を示している。
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