定額制リノベーションの安い初期価格に、魅力を感じる方も多いでしょう。ただし、高所得層が求める仕様を追求してオプションを追加していくと、結果的に総額がオーダーメイドより高額になることも。
ここでは、2種類ある定額リノベの種類、オプションの罠、業者選びのポイントを解説します。

定額制リノベーションとは

都心部の新築マンションが高騰するなか、中古マンションを買ってリノベーションをする方が増えています。かつてリノベーションは費用の内訳が不透明とされるケースがあり、価格の透明化を実現するため、最近では定額制リノベーションを提供する会社が現れています。

定額制リノベーションは、大きく分けてセレクト型とパッケージ型があります。
○セレクト型

用意されている選択肢・オプションを組み合わせて、設備や建材を指定していくプランです。間取りは自由設計としているケースが多く、オーダーメイドで設計してもらえます。

セレクト型は、自分にフィットする間取りにしたい場合におすすめです。ただし、選択肢がたくさんあるため「あれもこれも」とこだわりだすと、高額になる可能性があります。
○パッケージ型

パッケージ型は、設備や部材などがあらかじめ決まっているリノベーションのプランです。選べるオプションが限られるため、あまり迷わず進められます。

標準仕様から選ぶため、自分たちのセンスにあまり自信がない方に向いています。

ただし、パッケージ契約における標準仕様が実現したい理想と乖離していたりすると、オプション地獄を招くケースがあります。

定額リノベで要注意! 「オプション地獄」の罠

高所得層の方々が定額リノベで陥りがちなオプション地獄。具体例として、ハイグレードな素材、高性能設備などがあります。
○ハイグレードな素材

定額制リノベの標準仕様では、基本的に最低限の素材が使用されます。よりハイグレード・高品質の素材を希望する場合は、オプションを追加しなくてはなりません。

さまざまな場所で高品質の素材をふんだんに使用すると、結果として費用が高額になり、定額制の意味がなくなってしまいます。
○こだわりの設備

設備に関しても基本的には最低限であるため、割と具体的な理想がある方々にとっては物足りなく感じられるかもしれません。海外製のオーダーメイドキッチン、ホテルのようなお洒落なバスタブを付けたいと思っても、定額制リノベでは難しいケースが多いでしょう。

定額制リノベで実現できない分を、別の業者にいろいろ依頼するとかえって高額になりがちです。どこにこだわるのか、優先順位を付けることが重要です。

リノベーションの業者の選ぶ際のチェックポイント

リノベーションサービスを提供する業者は多数あります。どのようなポイントで選べばいいのか、その判断基準は以下の4つです。
○施工事例と品質

ホームページに施工事例や実績が豊富に掲載されているかは、重要なポイントです。
コンテスト受賞など第三者の評価もあると、さらに信頼の証しになります。

施工事例に関しては、工事の内容、築年数、工事費用、規模、期間などもチェックしておきましょう。
○対応はていねいか

自分の理想の住まいに近づけるためには、工事会社としっかり打ち合わせをする必要があります。細かいところまでていねいに打ち合わせをしてくれる会社、見積もりの詳細を提示してくれる会社であることが重要です。

一度きりのミーティングで終わるのではなく、何度もミーティングを行ってくれる会社を選ぶようにしましょう。
○アフターサービス

リノベーションをした後も、継続的にサポートしてくれる業者のほうが心強く感じられます。定期点検や保証など、アフターサービスが充実している会社を選びたいところ。
○口コミや評価

会社の公式ホームページに、利用者の声や感想が掲載されているかをチェックしましょう。実際の写真があると、口コミ内容の信ぴょう性が増します。

ネットの口コミサイトを閲覧するのもよいですが、信ぴょう性は必ずしも高くありません。参考程度に留めるようにしましょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。
多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
編集部おすすめ