1974年のAltair8800から、AppleII/PET 2001/TRS80のパソコン御三家(米国ではホームコンピュータと呼ばれることが多かった)、国内では、ベーシックマスター(日立)、MZ-80K(シャープ)、PC-8001(NEC)といった8bit BASICマシン(当時まだマイコンという呼び名が残っていた)から1981年のIBM PC、1982年のPC-9801(NEC)まで、メインボード、マザーボードには、多数のTTL ICが並んでいた。
当時のマイクロプロセッサには、システムを構築しやすくするための「周辺LSI」(ファミリーチップと呼ばれる。
当時主流だった汎用ロジックICは、TI(Texus Instrument)社のSN7400シリーズである。74シリーズは、業界を席巻した。また、多数のセカンドソース企業から互換性のある製品が販売された。
汎用ロジックICとは、ANDやOR、NOTといった基本ロジックをIC化したもの、これらを組合せることで、任意のロジック回路を作ることができる。
74シリーズを構成する回路構成はTTL(Transistor-Transistor Logic」と呼ばれる。TTLの汎用ロジックICは、入出力で1と0を表す電圧が原則、統一されている。これをTTLレベルという。このため、同種のIC同士を直接組み合わせて回路を作ることができる。また電源電圧は5Vに統一されている。簡単にいうと、74シリーズはデジタル回路のブロック玩具のようなものだった。
マイクロプロセッサも、MC6800(モトローラ)、Z80(ザイログ)、8085(インテル)などが5V単一電源、TTLレベルの入出力に対応した。筆者も当時、個人でマイクロプロセッサを使ったシステムを自作していたが、電源が5V単一になるだけで、開発の負荷がかなり軽くなった。さらに周辺の制御に74シリーズを使えるため、当時の筆者のような素人でも、なんとか動くシステムを作り出すことが可能だった。
1970年台から80年台のマイクロプロセッサを利用した汎用コンピュータ(いわゆるパソコン)では、このTI社のSN7400シリーズが中心だった。しかし、一夜にしてこの状態になったのではなく、1960年台初頭に他の方式を採用する汎用ロジックICの開発競争があり、結果的に性能の優れたTTLが主流になった(表01)。
こうして、ほとんどのマイコン、パソコンに入り込んだTTLだが、1980年台後半になると急速に利用が減ってしまう。汎用ロジックICを多数基板に並べるよりも、特定目的のために作ったLSI(ASIC)を作るほうが、性能、システムコストの点で勝ってきたのである。PC/AT互換機でいえば、いわゆるチップセットの登場(チップスアンドテクノロジ社、NEATチップセット。1986年)により、パソコンは、急速に小型化、高性能化していく。この流れは、パソコンだけでなく、多くのデジタル回路製品に広がった。
今回のタイトルネタは、REBECCAの「76th Star」の歌詞に出てくる表現である。同曲は、“REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~”(1985年)に収録されている。











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