SBI証券は、2025年11月末時点で預り資産残高が60兆円を突破したと発表した。2025年6月末に50兆円を達成してから、わずか約5カ月で10兆円増加したことになる。

○「ゼロ革命」やサービス拡充が成長を後押し

同社は1999年にインターネット取引サービスを開始。2001年の手数料引き下げなどを背景に利用者が増え、預り資産残高や口座数、個人株式委託売買代金の面で規模を拡大してきた。

近年では、2023年に開始した「ゼロ革命」と呼ばれる、オンラインでの国内株式売買手数料の無料化を皮切りに、投資家の取引コストを引き下げる施策を段階的に導入。あわせて、多様な投資ニーズに応える商品・サービスの拡充や、取引環境の整備を進めてきた。

同社はまた、グループ外企業の共通ポイントと連携する「マルチポイント経済圏」や、複数のクレジットカードで投信積立ができる「マルチカード戦略」を展開。利用者が自身のライフスタイルに合わせて選択できる点が支持を集めているとしている。

○UI/UX改善や投資教育にも注力

取引環境の面では、2024年7月からWEBサイトやアプリのリニューアルを実施し、視認性や操作性の向上を図ってきた。さらに2025年7月には、投資教育に特化した特設サイト「SBI証券 金トレ部」を開設し、初心者から経験者まで幅広い層に向けた情報提供を強化している。

同社は、こうした取り組みが評価された結果として、今回の預り資産残高60兆円突破につながったとの見方を示している。
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