東京商工リサーチは12月12日、為替に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は12月1日~8日、6,151社を対象にインターネットで行われた。
○「円安」、企業の41.3%が「経営にマイナス」
1ドル=156円前後の円安が経営に及ぼす影響について、回答の最多は「マイナス」の41.3%(6,151社中、2,546社)だった。前回調査(2024年6月実施、1ドル=156円前後)の54.4%と比べ、13.1ポイントダウンした。一方、「プラス」は4.4%(272社)にとどまり、現在の円安水準は、未だ企業へのマイナス影響が大きいことがわかった。
規模別では、「マイナス」は大企業が41.8%(487社中、204社)、中小企業が41.3%(5,664社中、2,342社)だった。前回調査では、大企業が49.5%、中小企業が55.0%で、それぞれ7.7ポイント、13.7ポイントずつダウンした。円安が膠着するなか、対応が進み一定の「慣れ」が生じている可能性もある。「プラス」は大企業が7.1%(35社)、中小企業が4.1%(237社)で、輸出関連の寄与度から大企業が3.0ポイント上回った。
○産業別「小売業」と「卸売業」のマイナス影響が半数以上
「マイナス」影響の割合が最も高かったのは、内需型の小売業が55.7%(332社中、185社)。次いで、卸売業の53.0%(1,097社中、582社)と、2産業が5割を超えた。
また、部材などの仕入価格が影響する製造業が47.7%(1,493社中、713社)、飼料などを輸入に頼る農・林・漁・鉱業が45.2%(53社中、24社)と、全企業の41.3%を上回った。
○希望レートは「1ドル=133.5円」
望ましい為替レートについて、2,963社から回答を得た。平均値は「1ドル=133.5円」(大企業136.2円、中小企業133.3円)、中央値は「1ドル=135.0円」(大企業140.0円、中小企業130.0円)で、いずれも現状の為替レートと20円以上の乖離がある。
5円刻みのレンジでは、最多が「120円以上125円未満」の19.8%(587社)。以下、「140円以上145円未満」が17.3%(514社)、「130円以上135円未満」が16.1%(480社)、「150円以上155円未満」が11.0%(328社)と続く。今年11月末頃の「1ドル=156円前後」が含まれる「155円以上」と回答した企業は6.0%(180社)にとどまった。
規模別でみると、最多レンジの「120円以上125円未満」は、大企業が15.0%(212社中、32社)に対し、中小企業が20.1%(2,751社中、555社)で、5.1ポイント上回った。
一方、「140円以上145円未満」では大企業が22.1%(47社)で最多。中小企業の16.9%(467社)を5.2ポイント上回った。
○産業別 全産業で「155円未満」が9割以上を占める
産業別でみると、「120円以上125円未満」は、「農・林・漁・鉱業」26.6%(30社中、8社)、「小売業」22.9%(187社中、43社)、「不動産業」24.5%(118社中、29社)、「運輸業」19.0%(105社中、20社)、「情報通信業」20.6%(150社中、31社)、「サービス業他」23.8%(532社中、127社)と、10産業中、6産業で最多レンジとなった。
一方、「155円以上」と回答したのは、「農・林・漁・鉱業」の10.0%(30社中、3社)が最多で、「金融・保険業」の9.5%(21社中、2社)と続き、全ての産業で10%以下だった。
全10産業で「155円未満」が9割以上を占めており、希望為替レートと現状レートの差が浮き彫りになった。











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