マンションリサーチ・福嶋総研は12月12日、大阪市の中古マンション価格が東京都23区に次ぐ高い水準で高騰していること、その背景に投資・投機的な資金流入の強まりがあるとする調査結果を発表した。

大阪市の中古マンション価格が、全国でも東京都23区に次ぐ強い上昇を示している。
今回は、東京との比較を軸に、大阪市の中古マンション市場にどのような特徴や傾向が見られるのかを詳しく調査した。

大阪市の中古マンション成約坪単価は2020年中盤以降に高騰が加速しているが、この動きは全国的に見ても特殊で、同じように顕著な上昇を示しているのは東京都23区のみであるという。その理由として、「都心回帰」「梅田やなんば周辺での再開発の連続性」「インフレ・建築費高騰による新築価格の押し上げ効果」といった複合的な要因が背景にある。

価格上昇は特に2006年以降の築年帯で顕著で、この築年帯が他の物件を大きく引き離す右肩上がりのトレンドにある。

さらに、大阪市では築年が浅く価格帯の高い物件の成約件数の割合が増加し、逆に古い築年帯の割合が減少するという特異な構造が見られる。

これは、価格上昇により築浅物件が手に入りにくくなり、実需が古い物件にシフトしている首都圏近郊3県(埼玉・千葉・神奈川)とは逆の傾向であるとのこと。

この現象は、給与所得者を中心とする実需層の購入構造とは異なり、投資や投機目的のニーズが強まっていることを示唆する。実際、新築マンションの購入後1年以内の短期転売率は、東京23区で20%超え、大阪市で14%に迫る水準に激増している。

以上のことから、大阪市は東京に比べ価格差から割安感があり、国内外の投資資金を呼び込みやすい市場となっているため、単なる実需中心から投資・投機が大きく存在感を増す成長マーケットへと変貌している。
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