新潮社は12月15日、『マイブック』(539円)の累計発行部数が300万部を突破したことを発表した。

○自由に使う世界に一冊だけの本

手帳や日記として使用できる「白い文庫本」の先駆けとなったマイブックは、中面に日付と曜日のみを記載した仕様で、手帳や日記、備忘録など自由に使える一冊。
1999年の初刊行以来、アートディレクター・大貫卓也氏の企画・デザインで制作を行っており、書きやすいように通常の文庫よりもしっかり開く方法で製本している。

2026年版は初版8万部で発売されて以来、5刷15万部を達成し、同シリーズの累計発行部数は300万部を突破した。

○台湾など海外での人気も広がる

国内のみならず海外でも伸長しており、2026年版はすでに8,000部以上を海外で売り上げている。特に東アジア地域での人気が突出しており、その半数を占める中国では、SNS「小紅書(シャオホンシュー)」でのライブコマースがきっかけとなり人気が急上昇。現地のユーザーも日本と同様に、自由にカスタマイズして活用している様子がみられる。更に、台湾の主要書店(ジュンク堂書店 台北明曜店、ジュンク堂書店 ららぽーと台北南港店)では、2025年10月・11月の日本語書籍総合売上ランキングで第1位を獲得した。台湾での購入客層はほぼ100%がローカルの20代~40代女性で、手頃な価格(199台湾ドル)と携帯しやすいコンパクトさが支持され、日記だけでなく、コーデやアイデアメモといった手帳的な日常の記録として活用されている。台湾では春節(2月14日)前の1月が売上のピークとなるため、今後さらなる販売拡大が見込まれる。

Z世代が熱狂「日記界隈」


日記界隈とは、その名の通り、「日記」を書く人々のこと。従来の日記は他人に見せず、自分だけの中で留めておくものだが、Z世代の日記はその逆。あえて日々起きた出来事をSNSなどのネット上で共有するスタイルが主流で、これはライフログとも呼ばれている。この投稿にマイブックが活用され、話題になっている。


なお、本年も日記界隈を中心に若者からの需要が高く、購買層の約3割を20代以下が占めている。こうしたトレンドは一過性ではなく、2026年版では発売6週目時点で20代の購入数が前年の280%に達するなど、人気は拡大傾向にある。

○『マイブック』の使い方

まず、名前や写真、プロフィールを書き込むことができる。

中面は自由に記録できる仕様となっている。

あとがきや奥付の記名も可能で、日々の記録や大切な人との交流、アウトプットの手段として活用できる。
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