アデコは12月16日、「静かな退職」と「理想の上司」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年6月27日~30日、日本全国の勤続1年以上の会社員および公務員・団体職員の20代~50代の男女2,050人を対象にインターネット形式で行われた。


同調査は、調査実施時点で45~59歳(1965年から1979年の間に生まれた世代)を「X世代」、29~44歳(1980年から1995年の間に生まれた世代)を「Y世代」(ミレニアル世代)、18歳~28歳(1996年から2012年の間に生まれた世代)を「Z世代」と定義して実施された。

「静かな退職」状態(仕事への熱意や意欲はないが、必要最低限の業務はこなしている状態)が、自身にあてはまっているか質問したところ、「非常にあてはまっている」(22.6%)と「どちらかと言えばあてはまっている」(45.0%)を合わせて、全体の67.6%が「あてはまっている」と回答した。

世代別に見ると、「仕事への熱意や意欲はないが、必要最低限の業務はこなしている」状態だと回答した就業者がもっとも多かったのはZ世代で、71.4%が「静かな退職」状態にあることが分かった。
○年代別「仕事への熱意や意欲はないが、必要最低限の業務はこなしている」割合

現在の勤務先で「静かな退職」状態にあるX・Y・Z世代の就業者1,387人に対し、「仕事への熱意や意欲を持てない理由は何ですか? 」と質問したところ、もっとも多く挙げられた理由は、「給与・報酬が低い」(35.2%)、次いで「仕事にやりがいが感じられない」(20.3%)であった。
○仕事への熱意や意欲を持てない理由は?

現在の勤務先で「静かな退職」状態にあるX・Y・Z世代の就業者1,387人に対し、退職・転職に対する考えを尋ねると、「退職したいが、転職活動はしていない」(29.3%)と「当面の間、退職することは考えていない」(51.3%)を合わせると、80.5%が現在の勤務先での仕事を続ける考えであることが分かった。

○「静かな退職」状態にある就業者の退職・転職に関する考え

「静かな退職」状態にあるものの現在の勤務先での仕事を続ける考えを持っていたX・Y・Z世代の就業者1,117人に対し、現在の勤務先での仕事を続ける理由を問うと、「次の仕事を見つけるのが難しそうだから」(30.3%)という回答が最も多かった。

○上司に本音で話せている人の割合は?

上司に本音を話せているか質問したところ、「まったく話せていない」(11.5%)と「どちらかと言えば話せていない」(29.9%)を合わせて41.4%が「話せていない」と回答。

また、「上司には本音を話したくない」と回答した就業者は13.7%という結果に。

続いて、理想の上司に求めることを聞くと「話しかけやすい」(16.8%)という回答が全体で最も多く、Z世代とY世代でもトップとなった。一方で、X世代では「公平・公正である」(20.0%)が最も多かった。

○理想の上司は?

「実在の著名人や有名人で、あなたが考える『理想の上司』にもっとも近い方を1人挙げてください(存命・故人は問いません)」と質問したところ、どの世代においても男性が選ぶ「理想の上司」は「イチロー」、女性が選ぶ「理想の上司」は「天海祐希」という結果が得られた。
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